第44話 転移者特有の問題は・・・・

「それでですね、才村様の質問のうち、転移者に関する事柄ですが・・・・正直私どもにはわかりかねます。過去の転移者ですが、もう数十年前の話です。それに、先ほどお亡くなりになられました国王様の、祖父の代までさかのぼらないと実例がございません。因み国王様は御年71歳でございました。恐らく50年以上前が最後かと。」


「意外と少ないのですね。で、過去の転移者の話は分からないのですか?」

「少し調べる必要がありますね。これに関しては少し時間を頂けませんか?」


「そ・・・・そうですか・・・・分かりました。では、分かり次第連絡をお願いしますね。」


少し残念そうな表情の才村さん。意外と転移は頻繁に行ってはいなかったのですね。

そりゃあ、こんなに人が死ぬのなら、早々できませんね。


「はい・・・・重大な問題ですが、お力になれず申し訳ありません。」

「いえ、ですがその、過去にも転移者がいたのですよね?その時も魔王を討伐ですか?」

「あ、はい、それに関しては間違いなく魔王の討伐ですね。魔王の眷属がこの国及び周辺国を侵略し、多大な犠牲が出ました。それらを討伐するのに軍が出ましたが、眷属は何とか討伐できましたが、魔王の直属部隊には話にならず、結局召喚が行われ、異世界の勇者がこれらを仕留め、魔王は封印されたとか。」

「じゃあその、勇者と言うのは居たのですね?その後はどうなったかは・・・・?」

「その後見かけなくなったようなので、恐らく元の世界に戻られたのでは・・・・?少なくとも私共はそう聞いておりますわ。」

・・・・凄く怪しい。本当に封印し、元の世界に戻ったの?

更に才村さんが質問します。

「それでは、どうやって戻ったとかの話も分からないのですよね?今回は、召喚で沢山人が亡くなったと聞きました。では、戻るのにはどのような条件が必要なのでしょうね?」


「あ、それは恐らく魔王の討伐か封印かと。」

僕は気になったので間に入って質問をします。

「では魔王とか言うのを何とかしたら、その場で戻ったと?他にも巻き込まれた人は居たのですよね?その方も戻ったのでしょうか?」

「ええと・・・・そう言われると、どうなのでしょうね?私達が幼いころに親から聞いた話では、勇者の事しかなかったような・・・・これに関してもちゃんと調べますね。」

「あ、はい、お願いします。ですが今回の勇者は、既に街を追い出されてますよね?因みに勇者の侍女だった人は今後どうなるのでしょう?」

「あ、それはそうですね・・・・もし行き場が無いようでしたら、資料を調べるお手伝いをしていただけるとありがたいですわ。」


「多分あのまま城・・・・王宮?に留まっても、彼女らには何もいい結果はないでしょうから、一度話をしましょう・・・・侍女さんどうかな?」

「お気遣いありがとうございます。そうですね、あのままですと周りの男共に犯されるのが目に見えておりますから・・・・こちらで資料を調べる方がよろしいかと。」


「では、侍女さんお願いしますわ。ええと、大体の質問はお答えできたと思いますが、どうでしょう?」


受付の女性が聞いてきましたが、今はそうですね、思いつきません。

「才村さんどう?」

「あ、妊娠に関してですが、出産までの流れを知りたいです・・・・」

あ、それは転移者関係なく知りたい事柄だね。才村さんだけじゃなく、女性も沢山巻き込まれてるから。

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