第25話 勇者 その3

俺は仲間と共に王宮の外に出る。


残念なのは、女共は王宮から一歩も出ようとしない事だ。


俺が付いて来いと言っても、


「私共は、王宮より一歩も出る事はかなわぬと言明されておりますので、ご容赦くださいまし。」


ときたもんだ。


試しに一人無理やり連れだそうとしたが、外の門番か?に阻まれた。


くそっ!この女共とヤるには、いちいち戻らねえといけえねえのかよ!


まあいい。遠出しなけりゃあいいんだからよ。


だが待てよ・・・・?

そう言えば、リーマンの侍女は外に出たって話じゃねえかよ。何でだ?←ちゃんと許可を取って、冒険者ギルドへ向かったからです。


「おい森信、これからどうすんだ?」


友人の一人が聞いてくる。無論俺がリーダーだからだ。


「適当に魔物狩って、レベルとやらをあげるぞ。あと、街で適当に女見つけて、勇者ならすぐ股開くだろ?」


「それもそうか、あの女ども、すぐに股開いてはめさせてくれたからな。」


「ああ、俺実は初めてだったんだよ。いやあ、いい思いさせてもらったなあ。」


「そうだったのか?何だお前ら童貞だったのかよ?」


「今は男さ。」


「ああ、こっちもさ。」


ああ、こいつら童貞だったのかよ。知らなかったぜ。まあ、俺のおかげで無事卒業できたんだ、いい駒になってくれよ。


結局友人を友人と見れず、駒としか扱えない勇者君。


そんな勇者に関し、この2人は、


「こいつ中身空っぽだからな、利用するだけ利用しよう。」


「ああそうだな。あいつが暴走しても、俺ら2人でなんとかなるだろうしな。」


結局利害関係しかない3人だった。


だが、そんな3人だが、何故か魔物との戦闘は息があっていた。


なにせ同じオンラインゲームで活動し、チームを組んでいたので、お互いがどうするのか手に取るようにわかっていたからだ。


そして新たに加わった3人も、ゲームになれており、どんどん魔物を倒していく。


「ふう・・・・やっぱ戦闘は男同士がいいな。女はこういう時使いもんにならねえからな。」


「全くだ、あの時3人、ガタガタ震えてただけだったからな。」


「その通りだ。」


その後魔物を何体か仕留める。


「なあ、これどうすんだ?よくある話だと、素材を売ったりできるんだろ?何やら魔石?らしいのはわかるが、後のはさっぱりだな。」


「ああ?誰か知らねえか?」


勇者君が皆に聞くと、


「ああ、僕は聞いた事があるよ。冒険者ギルドにもっていけば、買い取ってくれるって。行った事ないけど。」


「お!そうか?じゃあこの魔石の回収と・・・・あとはどうなんだ?」


「さあ?僕らは戦うつもりが無かったから、聞いてないさ。持ってけば何とかなるんじゃね?」


「・・・・これを持ってくのか?」


ずたずたの死体。


「仕方ない、一体だけ持ってくか。」


こうして街に向かう勇者御一行。


・・・・

・・・

・・



「うっ!ちょっとあなた達、何持ってきてるの?」




「ここに魔物の死体そのものをも持ってくるなんて信じられない!」


冒険者ギルドとやらに向かったが、何だこの女共は?


「ここで買い取ってくれると聞いた。金を出せ。」



「ええ?こんなボロボロの死体、どう買い取ればいいのよ?その魔石は換金できるけど?」



「何?じゃあこれはゴミなのか?」


「きちんと解体し、素材だけを持ってくるか、状態のいい死体だけを持ってくる事をお勧めするわ。」


何だこの女。顔はべらぼうにいいが。今日はこいつにするか?


俺は女の元に向かう。


「ちょ・・・・ちょっとなんですか貴方!ここは職員しか入れないのですよ?」


「そんな事言うなよ!俺様は勇者なんだぞ?勇者に協力をしろ!先ずはこの高ぶった身体をその顔で癒せ!何せ俺様は勇者様だからな、お前等喜べ!」


そして残りの5人も各々女を捕まえたようだな。


俺は早速ズボンを脱ぎ、女にしゃぶらせようと俺様自慢のアレを出そうとしたが、うん?誰だ?肩を掴むのは?


「おいあんちゃん、おふざけはそこまでにするんだな?」


何だこいつら・・・ってでっけえ・・・2メートルあるんじゃねえのか?


「何だてめえら!俺様は勇者だ!邪魔すんな?」


「いやいや・・・・そのちっせえ租チン仕舞えよ、あれ、ない?・・・・ああすまん、小さすぎて見えねえわ・・・・だが・・・・消えろ」


俺はそう聞いた途端・・・・頬に衝撃を受け・・・・壁に激突した。


見れば仲間も同じ扱いだ。


「おい、この糞どもを街の外へ放り投げとけ。二度と門をくぐらすな!」


「はっ!」


・・・・

・・・

・・


気が付けば、外に放り出されていた。


はあ?何だこれ?


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