第8話 その後も説明は続く

冒険者のランク、最初はF。受ける事の出来る依頼は、殆ど素材集め。


薬草とか、そんなの。あとは掃除とか、ちょっとしたお使い程度。


駆け出し冒険者に、いきなり強い魔物の退治とかはないようです。


それと、希望すれば色々な講習が受けられるそうです。


例えば解体。


魔物や魔獣を仕留めて、素材を得る訳だけど、魔物には魔石、皮及び毛皮、骨、牙等々、魔物によって色々素材があります。

魔獣?魔物と魔獣の違いが判らなかったけれど、肉も買い取ってくれるようで、だけど、解体が上手くいかなければ鮮度が落ちて、買い叩かれるらしいです。

なので、解体は重要で、冒険者ギルドでは講習を行っているみたい。


また、最初の依頼として、薬草の採取があるけれど、葉がいるのか、根がいるのか、そう言った事を教えてくれるらしいです。講習を受けてないので”らしい”ですけど。


また、野宿の仕方や、武器の扱い方も教えてくれるみたいで、才村さんと話し合った結果、薬草の知識を才村さんが、解体を僕が教えて貰う事に。


まさか才村さんに解体させる訳にはいかないし、薬草の採取は、僕ならきっと鑑定で分かるだろうから。


そしてすぐに教えて貰う事になり、カードからお金を引き落としてもらい、早速講習を受けます。


解体、豚とか牛とかのイメージ。


解体場がギルドには併設されていて、そこへ案内される僕。


そこには魔物を解体する職員が多数います。


「親方、本日の初心者講習希望者です。よろしくお願いいたします。」


受付の女性がそう言ってくれ、ごつそうな男性がやって来た。


「おう、任せときな!しかし、こんな痩せっぽっちにできるのか?」

「ええと、はじめまして。冒険者になりたてですが、解体の知識はまるでなく、必要と感じ早速受ける事にいたしました。しっかりと学んでいきたいので、どうかご指導のほど願いいたします。」


僕はしっかりとお願いをします。何事も最初が肝心ですからね。


「お、おう?珍しいな。こんなお願い方をされるなんて。あんた何処かの金持ちなのか??」


「いえ、普通の人ですよ?では、お願いいたします。」


親方はついて来いと言って、僕はついていきます。


手を振って見送ってくれる才村さん。


才村さんはこの後、受付の女性に薬草の事について教えてもらうそうです。



「おう、解体の手順ってわかるか?」


「いえ。僕の認識では、血を抜き、内臓を取り、皮をはいでいくぐらいしか思いつきませんね。」



「お?何だ全く知らなさそうで、手順はある程度分かってるんだな。じゃあ後は実際のナイフの使い方とかだな。」



僕はスキルを使い、親方の作業を凝視します。


鑑定?一応そうだなあ、あとは査定?いやいや今は使わないね。解析?これは使えるかな?


僕は親方の手順を、どうやってナイフと使い、どのように切り込んでいくかを見定めます。


動脈を切って、血抜きをし、でも、血抜きの仕方を間違えると、辺り一面血だらけになるそうで、注意が必要との事。


で、腹を裂き、内臓を取り除いていきます。


中には食べられる部位もあるそうですが、素人には危険すぎるので、全部捨てたほうがいいらしいです。

鑑定があるから分かりそうだけど。


そして、骨を断ち、肉を、魔石を取り出します。


何となくわかるけれど、相当体力がいりそう。


「いいか、解体は重要だが、その前にもっと大事な事がある。何かわかるか?」


親方さんが僕に聞いてきます。


「ええと、魔物の倒し方ですか?無残に切り刻んだり、魔法で焼き尽くしたり、そのような倒し方ですと、皮が台無しになったり、解体しにくかったり?それに素材の価値が下がりそうですね。」


「おう?何だやはり兄ちゃん解体の知識があるんじゃねえか?その通りだ。俺つええ!とか言って、無残な死体を持ち込む阿呆が偶に居るが、あれじゃあ殆ど解体できねえ。余程でけえ魔物ならいいが、そもそもここに持って帰るのが困難だからな。解体費用もいる。だが、自前で解体できりゃあ持ち帰る部位は必要最低限で済むし、こちとら解体は毎日沢山あるから、仕事が減って助かるってなもんだ、がははは!それにな・・・・冒険者共は中々解体をしたがらねえ。汚れるし、きついし、きたねえからってな。」


何となくわかるかな。



そして、講習が終わり、僕のスキルには解体と、ナイフを使ったせいか、剣術が増えていました。

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