21配信目 【I WANNA BE THE SATAN】鬼畜ゲーをプレイするのじゃ!【キラキライブ/ニーナ・ナナウルム】2
「また―― 最初から、じゃのう……」
:すげえ哀愁ある感じ出すやん…w
:魔王様、そろそろ休憩しよう?
:悲壮感がやばいwwwww
:親の顔より見たリスポーン地点
:もっと親のリスポーン地点見ろ
:親のリスポーン地点ってなんだよ
通算何回目の死じゃろうか。
100を超えたあたりからもう、数えるのをやめてしまった――。
この風景も随分と見慣れてしまった。
……というか何じゃよ?!
噂に違わぬ鬼畜ゲーじゃな! ビックリじゃわ!
別に良いのじゃよ? リンゴが上に落ちても。
重力さんだって、時には疲れて仕事をしたくないときもあるじゃろう。そりゃあしょうがない。でもな、リンゴが我にホーミングしてくるのはあかんじゃろ。
まあいいよ。
百歩譲ってリンゴはそういう危険な地球外生命体だとしよう。
じゃが、この世界のあらゆるものは主人公に厳しすぎる。
地面に設置された三角形の『針』は火星へ旅立つロケットのように突然空へ飛び立つし、ていうか、そもそも何で地面に大量に針が設置されてるんじゃ。
歩いていたら通路の幅めいいっぱいの大きさのトゲトゲな壁が高速で主人公潰しに来るし……
向こう側にジャンプして渡ろうとしたら足場が1マス突然動いてヒョイッという効果音とともに主人公が死ぬし……
そんな過酷な世界にもめげずに、我は先程2面のボスまで攻略した。
さすが我。
セーブポイント皆無の難易度NIGHTMAREで素晴らしい戦果じゃ。
「なあ、このゲーム知っておる者がおったら聞きたいんじゃが、我さっき2つ目のボス倒したじゃろう? クリアまであとどのくらいなのじゃ?」
:ボスって4~5体だっけ?
:ボスは確か5体
:後少しで半分くらいかな
:たぶん半分くらい
:サタンは若干短い
「了解じゃ。ふふふ、ならばクリアはできそうじゃな。
プレイ開始から既に10時間くらいか。そろそろ我も慣れてきたし、このままクリアまでぶっ通しで配信するのじゃ!」
:え
:まさかの耐久配信
:もう既に耐久
:流石に休憩しようぜ…
:10時間もやったんだから休憩したほうが……
「六花と天花にご飯とおやつあげたときに休憩してるから大丈夫じゃ。
いや、流石にちょっと疲れてきたのう…… ちょっと待っておれ」
:でしょう?
:突然席たってどうした
:どした?
「じゃーん! こんなときの日のために買いだめしてある『バケモンエナジードリンク』通称モンエナなのじゃ! ウェへへぁ…w 夜ふかしの友にはこいつが最高なのじゃ…w」
:あかんw
:じゃーん。かわいい
:完全に目がイッてそうw
:ぐるぐる目になってるw
:魔剤www
:そなたもモンエナ教の敬虔な信徒か…
:かわいいからのあかん
:深夜テンションみたいになってて草
:キメてんだろ… くれよ……
「さあプシュッと開けて…… ウェへへ…w ウェヒ…w
さあ、『I WANNA BE THE SATAN』よ! そなたをクリアするまで我は全力を持ってお主を相手取ろうぞ!」
・
・
・
・
・
「やった…… ふふふ…
皆の者――! やったぞ! クリアじゃ!! クリアなのじゃぁぁぁあああ!」
:ついにやりおった
:88888888
:8888
:おめでとう!
:めでてー!
ついにクリアしたのじゃ!
コメント欄も『
『Congratulations!』の文字とともに、エンドロールが流れはじめる。
あぁ―― 我は本当にこのゲームをクリアしたのじゃな……
なんと感慨深いものであるか――。
ちらりと部屋の時計を見上げると、朝の10時。えっと…… つまり我は何時間ゲームやったのじゃ?
あれ、始めたのが土曜日の午前9時で、今が、えーっと、日曜日の午前10時。
「我、25時間もこのゲームやっておったのか……」
:そうだよ
:昨日寝るまで見てて起きたらまだやってて草
:途中バケモンエナジードリンク飲み始めて心配した
:魔剤5本もキメてて草
:ナイトメアじゃなかったらもっと早く終わってたな
「あぁ――! 今、我、猛烈に、嬉しい!
うぉぉおおぉああああ! やったのじゃぁああ! 六花に天花! 見ておったか我の勇姿! ほら、もっと
どうじゃった?我の勇姿? ……そうかそうか! いやぁここまで来られたのもお主らが我のことを癒してくれたおかげじゃ! ほら、よしよししてやるぞ! よ~しよしよし~」
:音声遠ざかってて草
:六花と天花抱っこしてクルクルしてそうw
:なにこのカワイイ空間
:くそ!画面が邪魔で魔王様のカワイイ姿を見に行けない
:よっぽど嬉しいんやなw
:ナイトメアクリアするとは思わんかった
:ガッツあるな魔王様
「良し! マネージャーにもクリアしたこと伝えるぞ!
えーと『マネさん! 我、アイワナをNIGHTMAREでクリアしたのじゃ!』っと」
:マネにも送ってて
:嬉しそうに報告する
:こんな娘が欲しい人生だった
いやぁ、やばいのじゃ。
自分でも分かる。今の我、アドレナリンが出まくってて、最高にハイってやつじゃな!
この喜びをもっと分かち合いたい!
「そうじゃ! 勇者と天使にもこの喜びをチャットで分けてやろう!」
:あら意外
:勇者たちと連絡とってるんだ
:大丈夫コミュ障でない?
:チャットだと交流あったんだ
「ん? ああ、この前の凸待ち配信があった後、勇者たちとはなんだかんだチャットでやり取りする機会も増えてのぅ。まぁまだ音声通話はしたこと無いのじゃが……」
:仲良さそうで何より
:うんうん(ニッコリ)
:チャットだと意外とコミュ障じゃないもんな
:文字だけならレスバもできるらしいしな
「とりあえず皆も25時間ご苦労じゃった。まあ流石に我の配信をずっと見ておった者はいないとは思うが、夜ふかししたものもおるじゃろう。今日は身体をしっかりと休めるのじゃ」
:ずっと見てたぞ
:25時間ずっと見てましたがなにか?
:25時間ニキ意外といるやん……
:夜の2時以降起きた試しが無いわ
:さすがに眠い……
:魔王様は体調大丈夫?
「我の体調か? 全然大丈夫じゃよ。
むしろ普段よりも快調かもしれんのぉ! 途中からバケモンエナジードリンクを何缶か飲んだからか、目がギンギンにさえての!w 集中力も増しておる気がするわい」
:草w
:ヤバそうw
:モンエナは飲みすぎるとやばいから程々にな
:配信いっぱい見たいけど、身体は大事にね
「心配せんでも我は大丈夫じゃ。なんせ魔王じゃからな。
じゃあ、配信終了しようかの。皆の者、またなのじゃー」
:乙
:乙
:おつつ
:ノシ
この配信は終了しました。
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「やっぱりまーちゃんなのかな……」
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