第4話 休み明け
朝を知らせる日の光とアラームのうるさい音が響く。
扉をノックの音と共に、今日から学校を知らせる親からの地獄の通告に生返事を返しながら体を起こす。
スマホのゲームをやりながら下に向かう。
「起きたんなら早く食べて行きなさいよもうお母さん行くから、ちゃんと学校行くのよ」
あくびをしながら手を振って見送る。
椅子には妹が座っており黙々と食べている。
親父ももう家を出ているらしい相変わらず忙しい両親である。あ~仕事なんてしたくねって思う。
「あ~学校行きたくね~」
「・・・・・・・・」
妹はそんな僕の言葉には無反応である。
全くこの静かな環境に話題を出してあげただけなのに。
テレビをつける。この静かな空間に音が生まれた。
そんな中ゆったりとごはんを食べて行く。
☆☆☆☆
「じゃあ私先に行くから」
妹は中学生で方向が途中まで一緒のため、一緒に行くのを避けるため先に出ていった。
「へーい、気を付けてなあ」
自分とは学校が嫌いではない妹はもう出たが、もちろん僕はギリギリを狙っていく。少しでも長く僕は家にいたいという気持ちを持っていた。
☆☆☆☆
学校についてクラスに入り適当に挨拶をしながら席に着く。
「相変わらずのギリギリのご登校ですな友よ」
僕が席について真っ先に声をかけてきたのは知り合って長い智さとしである。
「五分前行動はちゃんとしてるんだからいいんだよ」
時計を見てもあと三分もある。
「ああ、五分前きっちり行動がな」
ニヤニヤしながらこちらを見てくる。
「なんだよ気持ち悪い顔して」
「別に~~」
まったくちょっとイラっとさせてくる男である。
そこから当たり障りない話をしながらチャイムが鳴って自分の席に戻っていく。
☆☆☆☆
授業は休み明けということで午前中で終わったため僕は最高の気分である。
「今日寄り道しようぜどうせ暇だろラーメンでも行こうぜ」
「またかよお前とだとラーメンばっかだな」
「えーいいだろ好きだろラーメン」
「そりゃあ嫌いではねえけど肉食いたいよ」
「はははチャーシューでも食っとけ」
まあお腹が空いてたので、食いに行くことが決定した。
「いやあ楽しみだわ新しいラーメン屋を見つけたからお前と行きたかったんだよ」
「それいつもだろせめて下調べしてから教えてくれよ」
「そんなこと言いながらいつも楽しみにしてくれてんだろ」
そんな話をしながら下駄箱から靴を取る。
「てありゃあ凛音さんじゃねえか」
ここでいきなり彼女の名前が出て少し嫌な汗をかく。
「なんだそれ」
「いや、何回も言ってんだろ俺たちの同学年で顔の良さが一位、二位を狙えて、頭いいと来たもんだ相当に人気があるって」
そんなこと言ってたっけ。僕の記憶を遡っても思い出せない。
「あ~なんか行ってたなあ」
「嘘つけ!全部聞き流してただろう。本当にお前は女に興味がねえな」
「そんなことないよ。あの子も可愛いて思うし」
「おい、マジかよ!もしかしてとうとうお前と恋バナができる時が来たか」
「そこまでじゃないだろ、僕だって人間だよ。欲求はあるんだから」
その通り僕だって男子だ。女性は好きだ。ただ面倒な生き物だと思っているだけである。
「てかなんか俺らの方見てないか」
その言葉を聞いて智を壁にする。
「手でも振ればなんかアクション起こさないと恋は発展しないんだろ」
「ああ、その通りだ」
そう言って馬鹿正直に手を振っている。それに返してあげるアイツも中々である。
「ああ可憐だああ。彼女ならあんな子が欲しいぜ」
「この前告白されたのに浮気男だな」
「うるせえ。なんで俺にはブスしか寄ってこないんだよ」
「性格はいいんだし別にいいだろ」
「はあ~わかってねえな俺らは高校生だぞ。顔で選んじゃうだろ」
こんなこと言うやつになんで告白されるのか、いまだに不思議である。
「お前だって顔がいいほうがいいだろ」
「僕はそりゃあ可愛いに越したことはないけど頭が良ければいいかな」
「はあ?なんで」
「そんなの決まってんだろ。養ってもらうためだよ」
僕が胸を張って言うことに対して、ため息を吐く。
☆☆☆☆
新しく開拓したラーメン屋は中々おいしかったがかなりこってりしていて胃がもたれそうになった。
家に帰ってスマホを開くとメールが来ていた。
『君も同じ学校だったんだね』
ここだけ聞いたら、今からホラーが始まるのかという一文である。
誤魔化すこともできるだろうが、遅かれ早かればれるだろう。何なら明日にでもバレルだろう。
「そうだけど学校では関わってこないでね」
そう返しておくと、わかったと返って来て、ニシシっと笑った意味深いスタンプが送られてくる。
絶対関わってくるなっと思いながら、スマホを投げる。
「バンドの練習は明日だよな。ならもう今日はゲーム三昧じゃい」
その後は妹を誘いゲームをしながら過ごした。
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