リハビリします

 リハビリとは言っても現実問題私は全く動けない訳で、、、

 速い話が身体を支えるものも近くに無い場所で、そもそも起き上がれない!

 これは久々の能力頼り戦法かな〜

 てゆうかホントのところ他に方法が思い当たらない、、、

 とは言っても身体がこれだけ怠けてて魔力は大丈夫かって問題はあるよね、前提としてこの空間は魔力がとてつもなく薄い、、、

 探って見てなかったら別の方法を、、、

 半分諦めながら体内に意識を向けてみる。

 と、予想を良い意味で裏切り魔力は嘗てと遜色ないってか寧ろ少し上回ってるくらいちくせきされていた。

 まあ濃度が薄い空間とは言え何万年も集め続けてれば貯まるんだろう。

 っと早速始めてみるか。

 やっぱリハビリするなら念動力だよな!

 先ずは魔力を操って空気中に霧散するよう毛穴から霧吹きのように出るようイメージする。

 と気持ち高まった程度だが空気中の魔力濃度が上がったと感じる。

 その魔力に念動力の性質を与え体に負担がかからないようスロー再生のようにゆっくり身体を起こしてやった。

 自重で折れそうになる足に心底呆れながら念動力で土にエネルギーを与え不格好ながら空飛ぶ手摺りを数メートル分作った。

 危篤状態のジジイみたいな細い腕は掴もうとするモーションだけで悲鳴を上げる、が止めはしない。

 手すりを掴み軋む骨に鞭打って右の足を一歩踏み出した。

 激痛に砕けそうな脚を我慢して細い左手を前の手すりに乗せ掴むと思いっきり引いた。

 と同時に出した左足が地に着くと同時に左側の筋肉全部に光みたいな速さで激痛が走り意識ではなく本能が送った命令信号が全身を回り崩れながら地に打った右手が中程でポッキリと折れる。

 そのまま頭も打って大量の血を垂れ流した。


「スッゲェ、痛い、、、!」


 少しだけ嬉しくなりながら嘆いた私に誰が返事を返すこともない。

 当然なのだが少し虚しくなるな、と軽くため息を吐いて喉に激痛を走らせ後悔で声にならない喚きを漏らした私は今まで痛みに隠れていた違和感に気づく。


「あれ、この祭殿、何で重力が、干渉してないんだ?」


 そう、この祭殿には何のエネルギーも干渉していないのだ。

 その証拠に何万年も土の中に埋まってた建造物が何の外傷がない、つまり微生物分解するような摂理すら適用されていないのだ。

 いや、それ自体は、干渉を受けてないことは問題じゃない。

 そうゆう事じゃなくって、、、


「何でここ崩れてんだ?」


 酸化もしなければ分解もされず、果てには重力にもまったくくづれたりしない建物が何のきっかけで倒壊したのかって事だ。

 もしかすると、近くで災厄が生まれたんじゃないのか?

 千年に一度現れる災厄は出現時に周辺の物質を消し、吸収して駄目押しの強化を行う。

 その過程には必ずと言って良い程に余波が伴うんだけど、コイツは触れたスキルを一時的に無効化する。

 その影響で加わった重量に崩れ、すぐに無効化が再起動したんじゃ、、、

 、、、って、まあ私には関係ないか。

 よし、リハビリを継続しようかな!

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