花托の中身

白咲夢彩

第1話


 いちごは赤い。


 はたして、そうだろうか?


 いや、赤いのは赤いのだが、赤だけではないだろう。つぶつぶは茶色でヘタは緑だ。いや、黄緑か。ちなみにだが、果実はつぶつぶのことで、赤色とか白とかジューシーな部分は花托かたくと言う。あのつぶつぶは種に見えて実は種では無いのだ。


 いちごの中の色は赤だが、ピンクでもある。いや、白もある。いや、白ではなくクリーム色か。


 でも、赤の前は白色か。クリームか。そこから赤へと変わっているのだ。いや緑か。しかし、確かなことはいちごの過去の色は赤ではない。


 つまり、私たちの見るいちごは赤と言えるが、その赤の中には様々な歴史や存在があるのだ。なので赤はいちごの全てではない。


 赤という一言だけではない。


 でもたしかに赤は赤だが。


 果実に見えているところも実は違ったりもする。気にして調べてみないと分からないこともある。

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