よくある擬人化と思いきや…

よくある擬人化かと思ったが、この作品では「私」も擬人化の対象なのが面白いなと思った。そしてファンタジーのように数学が妖精じみているのも楽しいと思った。
一個人が数学にどっぷりハマっていく様子と、人が紡いできた数学の歴史を比喩的に繋いでいるのだと個人的には感じた。
最初はわからなかったが二度読んで、序盤での幼い主人公→古代の人間、学生になった主人公→数学が盛んだった中世のころ、社会人になった主人公→科学が発展した現代と比喩されている……?
たしかに言われてみれば数学者の数学への妄執ぶりは恋とも言えるし、数学は我々の日常のそばに常に存在する隣人とも言えるだろう。

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