第二部 第四章「女神の雫」(6)


「なんだ、生きてたの」

「えっ!?!? えっ!?」


 僕が言うと、メアリーと、メアリーから少し遅れて入室したユキ、応接室にいたみんなが慌ててこちらを振り向いた。

 もっとも、冒険者の気質を備えているみんなは、どこか平然としていた。

 

「い、生きてたかって……、あんた、何をやったの?!」

「マ、マフィアじゃ……、伯がほんまもんのマフィアになってしもうたんじゃ……」


 みんなの中でもキムに続いて良識派であるユキが僕を問い詰めて、メアリーが大げさにうめいた。


 ゾフィアのようにスーツを脱いでいるけど、ユキはベストを着用していて、それがまためちゃくちゃ似合う。

 ……というより、はだけると人目を引きすぎちゃうユキの胸を、スレンダーなスタイルを保ったまま目立ちすぎないように仕立てたエスパダの職人さんの技量は本当にすごいと思う。


「それで、オルビアンコ氏がどうかしたのかね?!」


 気になって仕方がないのか、デメトリオ議員がメアリーに尋ねた。


「え、えっとですね、それが、その、お馬さんにお顔を蹴られたみたいで……、顔にその……ぷっ、馬蹄ひづめの跡がクッキリと……」

「き、君は何を笑っているんだね……」


 ……危ない。

 僕まで釣られて笑ってしまいそうになった。


「馬ですって……? 一体何があったというんですの?」


 化粧の濃いおばさん議員がメアリーに尋ねる。


「オルビアンコ氏は、寝ていたら突然、屋敷の厩舎きゅうしゃに繋いでいたはずの馬たちが寝室に現れて、顔を踏まれたと言っているそうで……」

「はぁ?!」


 メアリーが何を言っているのかがわからず、デメトリオ議員が間の抜けた声を上げた。


「駆けつけた周りの連中には、『どうやったか知らないが、ドン・エルニーニョの仕業に違いない』と……」

「なっ……」


 デメトリオだけでなく、応接室にいる一同がこちらを見ている。

 当然ながら、僕の仕業に違いないという顔である。


「みんな、何をそんなに驚いているの?」


 葉巻をゆっくりとふかしながら、僕は言った。


「寝室に馬がいることなんて、よくあることじゃないか」

「あ、あ、あるわけがないだろう!?」

「それが、あ・る・ん・だ・よ」

「うっ……」


 僕は葉巻を口から離して、おっさん議員の方をゆっくりと見上げた。


「おおっ、さすがボスだぜ……、さっきアタシが教えたメンチの切り方をもうマスターしてやがる……」

「あんたが伯をワルにした諸悪の根源ですか……」

「あの……、メンチを切るって何?」

「お上品に言うと、睨みつけることだよ。ミスティの姐御。ガンを飛ばすとも言うぜ」


 はしゃぐアサヒとメアリー、アサヒに尋ねるミスティ先輩をそのままにして、僕はある男に語りかけた。

 

 オスカーの隣で、会合が始まってからずっと怯えた様子の男。

 オルビアンコが入院したと聞いても、ひとり顔を上げなかった男。

 

 そう、止まらない脂汗を何度も拭いているオルビアンコの子分に。


「先日、とても不思議なことがあったんだよね」


 僕は言うと、オルビアンコの子分の肩がピクリ、と動いた。


「目覚めたら、僕の枕元に馬の生首が置いてあったんだ。偶然にも、ドン・オルビアンコの馬鹿げた申し出を断った翌朝にね」


 僕はそこまで言ってから、オルビアンコの子分が僕の顔を見上げるまで黙った。

 無言になったことで不安になったオルビアンコの子分がおそるおそる僕の顔を見た瞬間、僕は彼に尋ねた。


「ずいぶん不思議なことがあるもんだ。君もそう思うだろう?」

「へ、へぇ……、さ、左様で……」

「君でしょ?」

「っ――!?」


 一部始終をレオさんが見ていたので、僕は最初からわかっていた。


「た、た、大変申し訳ございませんでしたぁぁぁ!!!」

「あ、いや、そういうのはいいんだ」


 土下座しようとしたオルビアンコの子分を制止して、僕は言った。


「謝るのは僕にじゃなくて、かわいそうなお馬さんの方だし、君は命令されたことをやっただけなんでしょ?」

「へ、へぇ……、左様で……」

「だから、もういいんだ。オルビアンコにはそれ相応の報いを受けさせたから」

「そうそう、あんた、結局何をやったのよ?」


 ユキの問いに僕は答えた。


「あいつ、お馬さんが好きみたいだから、もっと仲良くさせてあげようと思ってね。オルビアンコの屋敷の馬小屋に繋がれていたお馬さんたちをぜーんぶ、夜中にあいつの寝室に召喚してあげたのさ」


 昨晩、オルビアンコの屋敷にレオさんと侵入して、僕はそれを実行した。

 ためしに、かなり離れたところからやってみたんだけど、どうやらうまくいったらしい。


「奴が日頃からお馬さんに優しくしていたら、今頃何事もなく、手狭になったベッドで身を寄せ合って眠っていたんじゃないかな。つまり、僕は何もしていない」

「うわぁ……」

「悪魔です……、伯はやっぱり悪魔です……、魔王です……」


 ドン引きする二人に、僕はにっこりと笑った。

 ちなみに、ゾフィアとキムは腹を抱えて笑っていた。

 二人共良識は備えているけど、子供や動物にひどいことをする奴への怒りの方が強いのだ。


「それで、オルビアンコは屋敷に戻ってくるの?」

「あ、はい。風聞を気にして、医者を連れて帰って自宅療養するつもりみたいです」


 メアリーにバレた時点で風聞もへったくれもないんだけどね。


「そっか、屋敷に戻るのか。それはよかった」

「え!? まだ何かやるですか……」

「うん。次は馬小屋の馬糞を、寝てるあいつのベッドの上に全部召喚してやろうと思うんだ」

「「「「う、うわぁ……」」」」


 それには全員がドン引きした。


「……あのねぇ、みんな。あいつ、アリサをさらおうとしたんだよ? そんな奴を僕が許すと思う?」

「……思わない。『あーあ、バカな奴の人生終わった』って思ったもん」


 ユキが素直に答えた。

 オルビアンコは昨日、手下を使って、エスパダの珈琲を買いに行ったアリサの前に、突然馬車を止めて連れ去ろうとしたのだ。


 念の為に同行をお願いしていたレオさんがスマートかつ速やかに撃退してくれなければ、多数の死人が出るところだった。


 ……アリサの無詠唱神聖魔法の雨によって。


「そういうこと。あいつの心が完全に折れて、僕たちに何かちょっかい出す気がなくなって、僕たちの屋敷の前で土下座して許しを請う日まで、僕とお馬さんの復讐は続くのであーる」

「私って愛されちゃってるわね」

「……アンタもたいがい面の皮が厚いわよね……」


 ユキがアリサに言った。


「……そんなわけで、子分君」

「へ、へぇ」

「オルビアンコは近日中にマフィアのボスではいられなくなる。今のうちに身の振り方を考えていたほうがいいと思うよ」

「……あっしを、お許しいただけるんで?」

「うーん……」


 子分の言葉に、僕は真剣に考えながら答える。


「僕の仲間にね、ジルベールっていう奴がいるんだ。彼は元々強いんだけど、馬に乗せちゃうともう、ちょっと手が付けられないぐらい強くってさ」

「へぇ」

「彼と戦わなくちゃならないってなったら、僕はたぶん、真っ先に馬を殺すと思う」


 僕は答えて、キムとゾフィアがうんうんとうなずいた。


「もし、僕が旅先で餓え死にしそうになったら、自分の馬を殺して食べるかもしれない」


 今度はギルサナスが頷いた。


「……でもね、ただのこけおどしのために馬を殺すっていうのはさ、ちょっとなんというか、胸糞が悪いっていうか、不愉快っていうかさ。僕たちのように冒険者を志す人間にとって、馬ってのはちょっと特別な存在なんだよね」

「へぇ」


 すっかり観念したらしく、オルビアンコの子分からは汗が引き、静かに話を聞いている。

 こういう、腹が決まったらものすごく潔いところが、ヒューレット・バッカーノとよく似ている。

 マフィアの人たちって、皆こういう感じなのだろうか。


「君がたとえオルビアンコに命令されて実行したのだとしても、たぶん、僕たちのその嫌な気持ちは消えないと思うから、いつもだったら、行き場のなくなった君もウチに来る?って言うところなんだけど、ちょっと今回はそれはできない。だから、どこへなりと行くといいよ」

「……ありがてぇ言葉で。面目次第もございやせん」


 深々と頭を下げる彼に、僕は言った。


「あ、でも、一つだけお願いしてもいいかな?」

「あんたさんには命を取られてもおかしくねぇんだ。なんなりとお申し付けくだせぇ」

「マフィアの連中に、ある噂を広めてほしいんだ」

「噂、ですかい?」

「できる?」

「あっしらマフィアには、『オメルタ』っていう血の掟がありやす。身内のことについては絶対の沈黙というのがルールでやして。そればっかりはここで殺されてもお断りさせていただきやす。それ以外のことでしたら……」

「うーん、身内って言えるのかどうなのか……」


 僕は少し考えてから言った。


「伝説のマフィア、ドン・トスカーニの正体についてなんだけど」


 僕がそう言った途端、議員たちやオルビアンコの子分にオスカー、それにレオさんまでもが驚いてこちらを見た。


「ト、トスカーニ!? い、生きているのか!? ……い、いや、生きているんですか!?」

「……無理して敬語にならなくていいよ、デメトリオさん」


 僕は言った。


「生きているも何も、たぶんあなた方が嫌ってぐらい、よーく知っている人物だよ」

「……さっぱりわからん……」

「だ、誰なのですか?!」


 悩むデメトリオに、身を乗り出したオスカー。

 僕はもったいをつけるように葉巻をふかしてから、口を開いた。


「伝説のマフィア、ドン・トスカーニの正体、それはね……」


 僕がその正体を告げようとしたその時。

 突然、応接室のドアが勢いよく開いた。


「ベル! 大変よ!!」

「メル?!」


 黒いスパンコールのドレス姿のメルが、慌てて部屋に入ってきた。

 胸元がざっくりとVの字に開いていて、伸縮性のあるショルダーストラップが背面でクロスしたセクシーなドレスから、メルのきめ細かくて白い肌が眩しいほどに輝いて見える。


 美しい銀髪もドレスに合わせてアップにしていて、マフィアの構成員というより、もはや冥界の女王のようだ。


「うーん……すっごくセクシーなのに、美しすぎて、ちっともいやらしい気持ちにならない」

「ば、ばか! それどころじゃないのよ!」


 それどころじゃないのにちょっと顔を赤くしながら、メルが叫んだ。


「あなたに逮捕状が出ているの! 屋敷の外はエスパダ警察に包囲されているわ!!」

「なんだと!?」「なんですって?!」

 

 ヒルダ先輩とユキがほぼ同時に叫んだ。


「……やられた」


 僕は葉巻を置いて思わず苦笑した。


「そこのひょろひょろ君。君がスパイか」


 僕は、化粧が濃いおばさん議員の隣にいる、気弱そうなひょろ長い議員の方を向くと、それまでの気弱そうだったその男の口元がニィ、と開いた。


「最後まで静観しているつもりだったんですがね。ちょっと話が良くない方向に進みそうだったので、止めさせてもらいます」

「なっ、リットン?! 何を言っている!?」


 リットンというらしい、豹変したひょろ長い議員にデメトリオ議員が叫ぶ。


「あんたのアホ面を拝みながら仕事をするのも悪くなかったんだがね、残念ながら俺のボスはあんたじゃない。ドン・トスカーニだ」

「な……なんだと……」


 さっきまでの気弱な風体はどこへやら、カミソリのように鋭い目で僕の方をじっと見ながら、リットンはデメトリオに言った。


「僕を逮捕してどうするの?」 

「さぁ? それはドン・トスカーニがお決めになることだが……、お前は知りすぎた。まぁ、おそらくは、消されるだろうな」

「えー、あんまりじゃない? こんなに役に立ってあげたのに」

「ハハッ、役に立ちすぎたんだよ、お前は」


 リットンが笑いながら言った。

 それは冷酷な笑いではなく、まるで酒場で冗談でも言っているかのような笑い方だった。

 その違和感が逆に、ゾッとするような恐怖心を感じさせる。


「アサヒ、これだよこれ。これが本物のマフィアの凄みってやつなんだな」

「お、おい、ボス! 余裕かましてる場合なのか?!」

「おとなしく観念したほうがいい。あと数分で出てこなければ、警察隊が突入するぞ」

「ぷっ」


 僕は思わず笑ってしまった。


「何がおかしいんだ?」

「いや、マフィアが警察が来るぞって脅してくるのも、なんだか滑稽な話だなと思って」

「フッ、たしかにな……」


 僕の言葉に、リットンが楽しそうに笑った。


「ベル、どうする?」


 ヴェンツェル。


「貴様がその気なら、警察隊など我々で皆殺しにしてもいいのだが」

「同感」

「私も同意だ」

「ご命令があれば、すぐに対処します」


 ヒルダ先輩とアリサ、ゾフィアにレオさん。

 物騒な女の子たちとおじさまだなぁ。


「まぁまぁみんな、ちと落ち着いたらええ。殿がわろうちょるうちは大丈夫じゃけん」

「ソリマチさんの言う通りだ」


 ソリマチ隊長の言葉に、ギルサナスが同意する。


「余裕かましてる時に限って、とんでもないことをやらかすんだけどね……」

「ふふ、言えてる」


 ユキの言葉に、メルが同意する。


「サスペンダー姿のままパクられるのは嫌だなぁ……」


 キムは別の心配をしていた。


「さて、どうするんだ?」


 僕たちの様子を面白そうに眺めながら、リットンが言った。


「そうだね。君は今、自分が主導権を握っていると思っているようだけど……」

「違うのか?」

「……ああ、違う。まるでね」


 僕は葉巻を再び手にとって、ゆっくり、呼吸よりもゆっくりと吸い込んだ。

 モンテ・クリスタニアの、花の蜜のような上質の香りをたっぷりと楽しんでから、僕はリットンに言った。


「君は魔法伝達テレパシーができるんだろ? それでボスに会議の内容を逐一報告していた」

「ああ、そうだ」

「だったら、君のボスに伝えろ。……今すぐ警察隊を撤退させないと、君の人生は終わるとね」

「フッ、ボスにそんなこけおどしは通用しない」


 苦笑するリットンを、僕はまっすぐに見て言った。


「いいから伝えろよ三下さんした。君のボスは、僕の言葉がこけおどしかどうか、よく知っているはずだ」

「……」


 三下、という言葉に、リットンは僕を一瞬すさまじい怒気を込めてにらんだが、すぐに思い直して、自分のボスに魔法伝達テレパシーを送ったらしい。


「三下ってナニですか?」

「下っ端って意味だよ。メア公」

「メア公?! な、なんで私のことは『メアリーの姐御』って呼ばないですか!?」

「メイドってのはな、瞬時に序列を見極めるのが仕事なんだよ」

「執事も同じです」

「きぃぃぃぃ!!! イケメンじじいまで!! いつも無口なクセに!!」

「ククク……ッ、あなたがたのボスがこんな苦境に立たされていてもそんな会話ができるとは……。実に面白い方々だ」


 急転した事態を静観していたオスカーが楽しそうに笑った。

 この人もたいがい変わっている。


「あら、こんなのは苦境に入らないわよ」

「ホントホント。私なんて海賊が乗り込んできた船の上から、ロクに空気の入ってない水牛の皮に突き落とされたんだから」


 アリサの言葉に、ユキがうんうんと頷いた。


「突き落としてないだろ? ちゃんと抱きしめて投げただろ」

「キャー!! 今の聞きまして? ヒルダ先輩」

「……うむ。あとで我々できっちり事情聴取する必要があるな、ミスティ」

「……なんて奴らだ……」


 デメトリオが小さくつぶやいた。

 色々なことが二転三転あったせいか、会合の最初の頃の体から三分の一ぐらいのサイズになったように感じる。


「……ボスから返答だ」


 リットンが言った。


「予定変更だ。お前はここで殺す」

「……そう来ると思ったよ」


 バン!! バン!!!

 警官隊がドアを蹴破ろうとする音が聞こえる。


「さて、みんなは二階に立て籠もっていてくれる? 後で丸ごと召喚するからさ。キム、タンクの意地にかけて、警備隊長として、なるべく時間を稼いで。ミスティ先輩は他のみんなと合流して二階へ」

「あいよ」


 キムはすぐに立ち上がって、後ろに立て掛けてあった盾を持った。

 続いて、仲間たちが一斉に立ち上がる。


「レオさん、貴方もだ。僕を信じて全部任せて」

「かしこまりました」

「メアリー、チビっ子たちは?」

「えっと、全員戻ってきて、中庭で遊んでいますけど……」

「それはよかった。あいつらも二階に連れて行ってあげて」


 メアリーはうなずいて、すぐに中庭に向かった。

 こういう時はギャーギャー言わないんだな。


「ベルはどうするの?」

「とっとと逃げるけど……。その前に、伝説のマフィアさんとやらに、ドン・エルニーニョにナメたことをした落とし前をつけてやらないとね」


 僕はメルに微笑むと、意識を集中させた。


『あーあー、エスパダ国民の皆さん、聞こえますか? 僕はまつおさん・フォン・ベルゲングリューン=エスペランサ侯爵。またの名をドン・エルニーニョ』


「ッ?! 広域魔法伝達テレパシーだと?!」


 状況をすぐに察知したリットンが、胸ポケットに入れていたペンをこちらに投げつける。


「させるかッ!!!」


 僕のすぐ後にいたヒルダ先輩が特殊警棒でそのペンをはたき落とした。


 ……ペン先が鋭い針になっていた。

 きっと、即死級のエグい毒が仕込んであるに違いない。


「さすがボディーガード。頼りになります」


 僕はヒルダ先輩にウィンクする。


『えー、今日は皆さんに重大な発表があります。伝説のマフィア、ドン・トスカーニの正体についてなんですが……』


「や、やめろ!!!!!」


 リットンが叫ぶ。


『なんと、ドン・トスカーニの正体は!!!』


 リットンがテーブルを飛び越えて、今度は足首にしのばせていたナイフで僕に飛びかかってくる。


 でも、飛んじゃダメなんだよね。

 ……レオさんの前では。



「シュウッッ!!!」


 音もなく間合いに入ったレオさんの足が、弧を描くように回転して、研ぎ澄まされた刀のようにリットンの身体を斬った。

 

 ザシュッ、という音とともに、リットンの身体から鮮血が噴き出し、そのまま完全に昏倒する。

 虐殺の刃ジェノサイドカッターと呼ぶにふさわしい、何度見ても恐ろしい技だ。


 邪魔する人間がいなくなったので、僕は改めて、エスパダの市民に語りかけた。


『ドン・トスカーニの正体は、ペロンチョ国家元首です』

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