425 妙案
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
3/8 13:26
本来
「も~! もお~」と
出囃子(でばやし)の様にツインテールを揺らしながら足を鳴らすのは少女の役目
なので
開き絵くらいは可愛い女の子かと思った?
残念! ジンさんでした!
、、はい、どうも俺です、本当に残念ごめんなさい
只今臭み抜きその二でモツを湯がき終えたので絶賛煮込み直し中で御座います
ついでにその横で大量の卵を割っている最中なのですが、、
え、あ~、うん、牛の様に唸っていた理由ですか?
とても簡単な話なので
聞いてくれますか?
さっきまでの俺は割と真面目に考えたし
速度的にも脳を回して良い感じに話も逸らしたつもりなんだよ
懸命にさ
なのに
あまりに馬鹿みたいで
どうでも良くなっちゃったもんだから
茶番に走っちゃうよね~って感じですよ!
あぁ!ゴメン嘘、いや、嘘って程じゃないけど聞いて?
だってさぁ、ピンクギャルってばさ
ちゃんと食べてた物を置いてから、髪の毛なんか弄りだして
「いあ、違うんスよ~ お姉ちゃんと夜食食べた時も~その分とか、奢っちゃったし~?寒いからって服買うぞ~ってなって~、でも買ってくれるって事じゃなかったんスよね~あはははは」
って
自分事の話を呆気羅漢(あっけらかん)とした様子で続けるんですよ
そのまま長々と
「ほらっ!可愛くないです? 良いお店見っけたんスよ~」とか
「いくらだと思います?思ったよりは結構お安かったんですよ~」とか
逸れる事を言い出したんだけど
要は「お金~ 使い過ぎちゃった」らしく
「パンの耳でも食べてもたせようとか考えてた時ぃ」
とある初老と出会ったとかなんとか
その後はもう、そんまんまっスよ
「なんか~此処来たら無料でご飯食べれるって聞いたんで~」
みたいな!
んで普通過ぎる事を一通り語りましてですね?
ラストに
「来ちゃった☆」
じゃっないのよ!
ちょっとキュンとしたけども
☆キラキラキラー☆
みたいのとかいらねえんよ!
こちとらカセンを狙って来たのかと思って勘繰(かんぐ)ってたじゃん
ってか待てよ? 狙い 俺 だったっけ!?
みたいに神経すり減らしてたじゃん!
言うなれば狐につままれた感じよ
ポカンでしか無いのよ!
でも
それでも
情報吸われるのは駄目なんだろうから
「あ~い、混ぜ混ぜ終わりましたよ~」
「ん、そこ置いといて~」
って感じに
厨房の手伝いをさせる事にしました
働かざる者なんとやらってやつですよ
意外と本人
「どします?焼いちゃいます?全部ジャバーって感じで良いっスか?」
とか言ってるくらいノリノリだし
皆からしたら俺だけが情報共有出来ないってだけで、そこまで重要じゃないだろうし
天秤にかけたら非常に良い判断ではないかと思う訳ですよ
でも、まぁ材料は無駄にしたくないので
「まてまて 良い!焼くのは俺がやるから、そっちの灰汁(あく)取りやって」
別の仕事を振ったんだが
「うえ~、絶対髪にニオイ付くじゃないッスか~」
コレデスヨ
確かに良い匂いさせてる娘にこんな事させるのはどうかなぁとは思うよ!?
思っちゃったから
「あーまーそっか そうだけどさ? ってなんでそんな事まで気ぃ使わないといけねんだよ」
変なツッコミになった
けど
うちはロリも働いてる訳だし
この世界でスメハラとかあるのか分からないけど
建付けの良くなった裏扉を全開にしてやってからおたまを差し出し
甘えは許さんって感じで
「お前さ 夕飯も食うんだろ?」
甘やかし
「あ、あ~、やっぱメンツユやら出汁粉欲しいんだよなぁ~ お前ら若い子って日頃何処で何食ってんの?美味いもん屋とかあるなら教えてくれよ~」
半分独り言で誤魔化した
少しだけ間を置いたギャルの口からは
可愛らしい声で
「ゲヘペロ?」
可愛げの無い言葉が出てきた
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