414 至言
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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直接怪我人が居る訳では無い為、人の動きが少ない階層
比較的に見通しの良い静かな廊下
だからこそ
騒ぎを耳にする者が居ない
それでなくとも今は恐らく地下へと向かう方面が騒がしい状況なのだろう
ガヤガヤと騒がしい声が何処かの階段を抜けて小さく聞こえる
「っ! がっ ぅぅ」
初撃に声を取られ
反応は愚か騒ぐ事も出来ない状況だ
だが、近い距離まで詰め寄った相手だからこそ
「ぐっ! のっ ぉ」
反撃を仕掛ける
(情報が欲しい筈だ、直ぐに殺される可能性は低い)
握られた首を軸に、相手の手首を両手で掴み
(やるなら今だ!)
素早く両足を浮かせ顔面に蹴りを食れてから体を捻り
(逆に締め上げてやる!)
腕挫十字固(うでひしぎじゅうじがため)でそのまま圧し折る
と思った途端
いつもは勝手に動いていた筈だったのだが
「 ぇ」
腕に力が入らず
足も上がらないどころか
身体が 動かない
(なんだ!?何をされている?)
無理に動かせば腰骨が良い音を鳴らしそうだ
まるで、綺麗に切断されるかの様
「全く、キドナが死んだにも関わらずこのラボが問題無く稼動している事に多少驚きはしていました、、ですがまぁ大抵はルーティン業務だけで生きている人達でしょうから?崩壊は時間の問題だと思っていたのですよ」
(考えろ、脳をやられた訳では無い、何処なら動く?)
「 カハッ で、でしたら 幹部の方 々に ぅぅ」
(言葉は発せられる、口の中、顎は動く、指先も 問題無い)
「いえいえ、ドローンとやらで私も拝見していましたから分かっているのです、まさかあの子の歌まで回避されたとなっては流石に不可解でしてね、直接足を運んで良かった」
「ぅっ ぅう、何、何が」
(手首や足首も辛うじて、、と言う事は)
「ふふ、強情な、分かっているでしょうに」
「ぐっ ぇ はっ はぁもう ぅぅ 離 し て 」
血液の循環が一時停止し
悶え
力無く
眠る様に落ちた
フリをした
「プッ!」
数えて五秒程間を空けると諸突に相手の顔面へ向け何かを吹きかける
が
「おっと、危ない」
見事に躱された
幸か不幸か強く突き飛ばされ
距離が開いた途端
ボンッ!
と勢いの良い爆発音が響いた
「躊躇無く自爆とは素晴らしい、口の中に仕込んでおいた暗器は薬剤か何かのカプセルですか?」
「ゴホッ ゴッホゴホ はぁ はぁ はぁ、、流石に はぁ 子供騙しでしたか」
「ふふ、まぁこれは性格の問題かもしれませんがね?貴女、単純に演技が下手なんですよ 仕込みを自然と動かす為に喘ぎ過ぎです」
「、、そうですか、以後気を付けてみます」
「素直で結構なのですが残念、以後その機会はありませんよ?」
「 では 幾つか情報を開示しますので少しだけお話を聞いてもらえたりはしませんか?」
引き延ばす為の問答
「時間稼ぎですか、まぁ帰って口を割る手間が省けるのなr」
「グレイプニール」
と言う訳では無い
話の腰を折ったのは自分だ
「確か『勝手に作られた方』 魔宝具の一つで魔力を吸う核を鎖にした物、、だった筈ですが回収されなかったので私は初めて見ました、用途としては基本拘束具 貴方の腹心の武具と聞いていたのですが『今は』貴方が使っているのですか?こんなに見えないくらい細くしても強度は恐ろしい程で伸縮にも優れている様ですね」
その流れる様な詳細を聞いた側
「 本当に貴女 何者なんですか?」
軍師の表情にも動きが出る
ソレは焦りや苛立ちでは無い
分かり易い
殺意だ
対するハルも算段が無い訳では
「単純に怖いです!まだ話の途中なのでこっちに来ないで下さい!!」
無い事も無かったらしい
目を廻しつつも脳、舌を懸命に回し
「タ、タタタt タネを知った所で私に勝ち目はありません、、けど時期に集まって来る研究員さん達も皆殺しにしますか?勿体無いですよ、知らない振りして稼働させておいた方が色々と便利だとは思いませんか? い、今頃は地下の方も捜索しているのでしょう?」
先程考えていた事を全て吐き出す
「地下に何かがあるのは想定内ですよ、私も知らない間に大分開発されている側なので貴女方の思考は読めませんが あまりに危険だ」
左腕を軽く振り上げ
下ろしにかかるタイミングで
ペッッペカペッペカペッペッペ
ペッッペカペッペカペッペッペ
間抜けな音が鳴った
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