372 実験
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
3/7 17:00
舞台が別へと移る前
辺りはまだ少しだけ明るい、だが直ぐにでも染まる様な
日没前
「オルカーちょっとだけそっち押さえてくれるかなー?」
「いや、先に向こうから固定しないと二度手間に」
「あーあー姉さんソコはまだだって、重いし!ソコは俺らやっから」
「 ん、よし、閃いた! じゃあ女性陣は夕飯準備にしようか」
「そうだね 火の番もあるし」
「ううおぉいマテマテ、姉さんは良いけどモミっちゃんはこっちっしょ?結構やっつけでも量あんのよ? あと一応オルカは重症者だかんね?」
「じゃあスティルのみで頑張んだね」「え、待って!? 私はなんで良いの?」
「まぁこれくらいの作業量であれば二人でも十分終わると思われますし」
「あ」
「すみませんジルバさん お遊びでして」「ねぇ、なんで? 私これでも森の中で~」
「ふふふ、構いませんよ? ですよねスティル殿」「色々作ってるし!やりくりとかちゃんとしてて~」
「旦那はなんでオッケー出しちゃうかなぁ!?」「ねぇ」
「家だって! ちゃんとさ! 一人でやってってるんですけど~」
そんな作業音?が外から聞こえて来る
「、、なぁ、あいつら、ラフィ居なくても騒がしいんじゃねえか?」
銀髪の少女?は雑に厚手の上着を放り投げる
「あーっとっと、わざわざ大事な話の最中だったn」「あーうっせぇうっせぇ」
ナイスキャッチしたにも関わらず従者の言葉を阻み
「暗くなったら効率悪ぃだろが」
巫女は続けてブラウスを放り投げる
「あ、はぁ お心遣い感謝しますが、、肌着になるのって何故なんです?」
「ぁ? テメェも色っぽい方が良いだろうが?」
「へ?」
勿論
耐え切れず
「ぶふぁっ、ふふ あ、あぁ!がぁあぎゃああ」
眉間に肘鉄がめり込んだ
・・・
「ちっ、さっさとしろっつぅんだ コソコソする事自体が性に合わねぇ」
「うぅ ええ、有難いのですけどもぉ、もはやコソコソレベルじゃなくないです~?」
巫女と従者
決して如何わしい事をしている訳では無い
いや
「良いから吸えっつぅんだ!」
道徳上よろしくない為、如何わしい事には変わりないのかもしれないのだが、、
先程ジルバから聞き出した真実達
それはシエルの頭の中ですぐに繋がった
今までの流れや可能性だけでは考え付かない程に「くだらねぇ!」「クソ」な「陳腐過ぎて反吐が出る」様な
忌まわしい事項の連鎖
恨みにも似た感情が沸き、実に馬鹿馬鹿しいと嘲笑(あざわら)いで誤魔化したくもなる
だが、行き着く答えは理解出来なくとも
その大きな渦へと抗う事、防衛策が必要だと確信した
言わば対抗手段
すなわち
『戦力の拡大』
「血を渇望(かつぼう)するどころか血を舐めたいとさえも思った事ないですよ~?」
「良いから」
「良いからって何ですか、、でもどうするんです?あまりにも美味しくて?高揚が抑えられなくなっちゃったりとか! 暴走して浄化されるのとか嫌ですよ? もっと詳しくジルバ様に聞いてからの方が~」
駄々っ子の様に不平不満を漏らし
迫り来る少女?を高い高いした
瞬間
「死ねぃ」
逆に噛み付かれた
ので
「ちょっ、痛っ 逆!ってかセリフ! なんでそうなっちゃうんですか!?」
と冷静かつ的確なツッコミを交わすのだが
「、、あれ、ホントに痛い し 血っ!本当に血ぃ出てますけど!!?」
ガチのガチである
「試しだっつってんだゴラァ だがやっぱ美味いもんじゃねぇな」
細腕で大胆に口元を拭った
そのせいで
「口周りが酷い!吸血鬼より怖いですって!! ってか、も~彼らの栄養源って書物でも良く書いてあるじゃないですか?人間の~」
「ぁ? この上無く美しい処女の生き血だが?」
「いやいや、そこじゃなくてーー! シエル様の血液とか逆に体壊しそうじゃないですかー」
「、、よし、殺す!」
こうして
『実験』が始まった
決してイチャイチャしている訳では無い
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