371 吐露
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
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小さな輩に絡まれた老紳士は一向に臆する事無く
しっかりと従者の手が止まるのを待ち
周囲の者達が席に着いてからゆっくりと語り始めた
始めに
『祭壇』や『種子』 といった鍵になる物の単語を並べた
それに伴い
血を吸わない吸血鬼
『ロゼッタ』という名前
その存在についt
「おい」
、、ついてを語った所で少女?が一度割って入った
「私の母親、いや」
「本体って言やぁ良いのか? 一緒に居たんだろ?ソイツもだよ 話せ、何者だ?」
本人からのコノ発言には周囲の方が肝を冷やした
謎が幾つも散らばっていた為、勿論此処に居る全ての者が聞き入っていたにも関わらずぶっこんで来るスタイル
呆気にとられながらもシャーマンとエルフ達は一斉に従者へと目線を移す
流れでは一度神父の手紙を聞いた、、だが
(聞いて良い話題なのか)と
これには青年も困った様な表情を浮かべてから茶を啜(すす)った
後
吹き出しそうになり思わず横を向けてから咽(むせ)た
関係無いのだ
誰が聞いていようが
問題なんか無いのだろう
天下無敵の巫女様は一度だけ従者目掛け振り向いた
いつも通り
「はっ!」とでも言いたげな
雑なドヤ顔で
「で? てめぇらは何をしようとしてたんだ?」
巫女様の問答は続く
「キドナってのも魔族かなんかなのか? それともてんs、、いや、何でもねぇ あれか?ガンは ディーンのおっさんって事か?」
別の問題としても
魔宝具と真宝具の件も然(しか)り
「ぁ? って事はだ、正体知ってんならアル達の件も把握済みっつぅ事か? てめぇも ジジィも」
そして
実父では無い、神父の手紙に記載されていた
罪についても
・・・・・・
「ひぃえっ重いよ重いっ! 息が詰まるってのはこの事だわなぁ」
一番に外へと出たチャラ男は手持ちの物を一気に飲み干す
「くー! っつぅかこういう役回り多くねぇ?」
「は?自分で買って出たんでしょ でも」
「うん、巫女様流石だった」
「あぁ何処か姫様と似ている逞(たくま)しさ、いや、勇ましいと言うべきか そういった力を感じるな」
「ね、あんなに小っちゃいのに」
煮えた頭を冷やす為
と言うのは建前で「命の恩人様の為に汚ぇバリケードの隙間、夜風が入らねぇ様にして来い」と追い出されたのは病み上がりのエルフ達
だけでは無く
「ね~、本当に凄いと思った~! シエルちゃん本気モードって感じ?やっぱり頭良いよね~」
「えぇ本当にその通りで御座いました、あの方に対しては無駄に小賢しいだけだった様ですね」
シャーマンと老紳士までが突貫工事要員の為に締め出された所だ
他愛無い会話
「変なトコで止めたしシフちゃんボコボコなんじゃね?」
手を動かすスティルに向け
「いやいやいやいや、ふふ、逆だよ~ラブラブなんじゃないのぉ」
バシバシと肩を叩くのは意味不明に興奮状態の魔女だ
女子特有の温度に何処か面倒臭さを覚え
「えー今ぁ?そりゃね~っしょ姉さん、、あ~でも さ ジルバの旦那達が考えてた世界?ってのってさ」
軽く表情を変え
「本当に出来そうなんですかい?」
馬鹿な振りして聞いてみた ってヤツだ
勿論「おい」「死ね」と双子らから蹴りが飛ぶ
だが当の本人は
「ふふ、構いませんよ? 元々私(わたくし)の思想ではありませんし、、あの方々優先で生きていただけの事、大事なモノの優先順位も変わるのですよ」
涼し気に
ありものの道具で左官作業へと入った
「あ、そういえば、もう一個、もっかい聞くんスけど」
「はい?」
「【残りの連中へも手は打った】って言ってたじゃん?」
「えぇ、問題無いと思いますよ?」
「相手はあのレベル なんスよね?」
「、、そうですねぇ、個体差はあれど他の者達も吸血鬼ではあります」
「かー、マジか 旦那程強い人らってのがそんなに居るってのもヒくわ~」
「まぁ私(わたくし)に限ってはただの年の功、、皆様と早々大差はありません」
「嘘だぁ」
(((嘘だ)))
「ふふふ、ですがね、夜に強いと言うのは何も」
「吸血鬼だけの特許ではありませんから」
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