347 夢現

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



3/6 15:20



「、、、ぇ」





「ねぇ」




「起きて」



ロゼ? の 声?



「ねぇ」



「ねぇ~え!」



「ねぇってば~」



「あたたた、大丈夫 頭は打ってない筈、気付け薬は飲ませたから後は擦っちゃった所を何かで止血だけしとこっか」



(ん? あれ?)



「う~私のエプロン、まだ ココ  綺麗なのよ」


(あれ?)


「ロゼちゃん、ううん貴女の気持ちは嬉しいけど流石にソレは使えないよ~、、あ、じゃあそれなら聖堂までジン君を背負ってもらえたりとか出来るかな?」


(寝てる場合じゃ無い状況 だった  様な)



なんだっけ



たしか

何個かトンネルを作って

シフ達のいる聖堂まで走ってたんだよなぁ


なのに途中で蟷螂とか


あぁ、、



牛に殴られたんだっけ



あれ、でも 俺 じゃなく




チエ さん?




重い瞼(まぶた)を懸命に開き




切れず




気持ちの良い睡眠欲に負けたからか


バグった世界が始まった











「挨拶にはチューでしょう? あ、あとは~仲直りとかね~」

身振り手振り忙しく

魔女がエルフにボディーランゲージで何かを伝えている


「接吻(せっぷん)か!?接吻なのか?」

口元を震わせたと思ったら

何故か飴玉を口に入れモゴモゴしている


と思ったら



頬へと軽めのアイサツをした



ふおおおお


嬉し恥ずかし、勿体無いと思いながらもベタ付く頬をなんとなくに撫でたいのだが上手く動けずに


「美味しそうなのだわ」

胸元でペタンと座った吸血鬼が真っ赤な眼で見降ろしている


何?え? ってか目 赤いけど、、どゆこt



カプッ



噛まれた!?首筋を噛まれ、いや吸われて、、わ  ね~な

あっ甘噛み?甘噛み!? くすぐっt


ってぽわぽわしてたら


「あら、目が覚めたのかしら」


え?次はエバァ?





両腕を掴み、座敷へと押し倒して


押し倒して、、



ムチュ



っと厚めのキスをしてきた




(あ、夢 かも コレ 多分夢だ)




って?  え?いや、あれ? 痛い

痛い痛い!


痛い痛い痛い痛い!!


何の躊躇(ちゅうちょ)も無くギュッと両肩を握り

千切れんばかりの瞳で真っ直ぐに見下ろされている


(イヤイヤマテマテマテ 違う、コレって普通逆じゃねえの?  物語なら本来俺がぁ! 誰かをぉ とかじゃねえの!!?)



「確か此処で、アァ~ン転んじゃって~」


(コラコラコラ夢!おい夢!! アァ~ンじゃねえでしょうよ っつかアァ~ンってカタカナじゃん!キャラでもねえしさぁぁぁ)


無表情に、だが不機嫌そうに見えなくも無い銀髪少女?に心でツッコみ


準備していたかの様に


「なんでじゃろ~なんでじゃろ~  ななななんでじゃろ~」


(マジかぁ、こっちはこう来るのか~)


もうヒロイン達のお祭り、大暴れですよ!


「あっしがカレー食べると「具の中で何が好き?」ってアルが聞いてくるのなんでじゃろ~なんでじゃろ~」

(あぁ続くんだ?続いちゃうんだ? でも応援したいけどオチ見えちゃってるから!大抵の人は多分オチ読めちゃったから!!)


「シチューの時にも「あたしはやっぱりあれだな~美味しいよね~  お芋」って言うのなんでじゃろ~なんでじゃろ~!」


(アルじゃないけどなんかもう! なんかもうだよなんかもう!!)


あ、って考えちゃうと


「も~、可愛いなぁ み~んな、もぉ!もぉ!  可愛いな~!」


やっぱり出て来ちゃったツインテールのイメージが酷い



(前半の事もあるし願望系だけじゃない奴だな?夢のヤロウ もっと見ていたいけどもぉ!!)

気合を入れ

目を覚まそうとした最後の情報は



「いや~ん、食べないで~ 美味しい所だけ、美味しい所だけ~」



(今更ちょっと間違って無さそうな感じに修正してもダメだかんな!? 夢って分かってんだかんなぁぁ)











「んんぁああっしょ~い!?」


「ええええええ」「わああああ」


勢い、テンション高く起き上がったは良いのだが


「あっで いででで」


全身が痛い


(意識飛ばしてたのは一瞬? だけど、蟷螂も牛もいない か)

周囲を一瞬確認し寝ぼけた頭を回転させる


「だ、大丈夫?」


「いっつつ、あ いや今ってどんな感z」

(ってかそうだよ、、思い出した)


「俺なんかより」




まただ




また






くっそ






「チエさん」


「あぁ大丈夫大丈夫、平気だから泣かないのっ!まだ片付いてないんだから ほらっ立って~」

幼子を宥(なだ)める様に手を引く魔女



もう片方の腕は力無く



別方向を向いている




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る