317 収拾

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



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「わわっ!ちょっ、臭いんだけど!? 何やってんのよぉ」


いつもは逆の筈

なのだが


「わっとっと、やっべ!ボーっとしてた」

ツインテールの声と焦げた臭いに気が付いた


ので直ぐに手元をひっくり返し、フライ返しでこそぎ取るのだが勿論手遅れだ


「勿体無ぇから私が食うぞ」

腹ペコ巫女が気を利かせ?横目で見ている


「いや、ごめんっ 流石に焦げたとこ削ぎ落すからちょっと待っててな? すまんすまん あ~あ~臭い移っちゃってなきゃ良いな~」


「ほら~シエル達の話が難し過ぎる、、ってか飛ばし過ぎなんだって! きっとジン分かってないよ?ちゃんとみんなに分かる様に説明してよ~最初そう言ってたじゃん」


「ちっ、わーったっつの ちとまとめてやるから待ってろ」


自分の事を棚に上げるとは正にこの事だろう

だが巫女相手にもさらっと反論出来る辺りでもう誰とでも上手い事やれるのではないだろうか


そんな事を考えながらカッティングを終え、何枚かの皿と同時にもう一人の少女へと手渡す


「あ、ケイちゃんドリンク落ち着いた? これにゃんこ達の方に持ってってくれる?」


「あれ?でも巫女様用のは良いんですか?」


「あ~うん、これ中身違うんだわ ネギとかが入って無いの  あ~んとあれよ、残りの材料とかを考えて進めてるからこれはあっちでオッケーなんだわ」


「ははぁ、なるほど了解です 分かりました」

感心しつつ素直に提供へと向かうその姿


これはバル、エバに続くエースなのでは!?

と都合良く解釈してからそっと溜息を吐き、、


亭主は一度洗面所の方へと向かう




「だーから! 賢者の話なんてのは無ぇんだっつの」


「なんでよぉシエルさっき賢者の話してたじゃない、教えてよ~  だって賢者って凄いのよ!?何でも出来ちゃうの」


「はっ、神でさえアレだぞ?んな都合の良い世界なんかと一緒にすんなボケ」


指差された神はニカッと笑う


「ロゼも飲むかぁ?」


「う~~~~のむ~」


「お~、んじゃまとめて何本か持って来たろ」


「ふぁ、ふぁたしも  運ぶのよ」

鼻を摘まむ巫女を振り払い逃げる様に赤鬼を追う



「意味分からん、っつかそれならなんでドラゴンオーブの方には食い付かなかったんだっつの」

保存庫へと向かった二人を目で追いながらツインテールの前に空のグラスを置く


「お か わ り でしょ? 全く~良いなぁ三歳児も~! あたしだってみんなと飲みたいって~の~  あ、ってかシエル~ロゼちゃんは年上かもしれないけどもうちょっと優しくしたげてよ~」


「ぁ? 年がどうのとかじゃねぇっつの んな事言ったらお前も今言った通り三歳児がいんだろが」


「あ、そっか、、でもそれは~ほらっやっぱり見た目がね~」


「胸の事はお互い様だろが」


「えうぅ ってぇ!?違うってばぁ、もぉ~そういうの良いから説明してよ! はいスタートー」


「けっ、勝手に始めんなっつの    あー、、だが良い機会だ、羅列(られつ)するから他の連中にはアル、お前が説明してみろ」


「ええええ!?」






シエルとカセンの頭の中はきっと他の人とは違うんだと思う

ライアさんは~分かんないけど多分そっち側

あ、けどシフも結構何でも知ってるから凄く沢山『引き出し』を持ってるんだと思う

バルも~、、って違う違う えっと


まずシエルがロゼちゃんを見て閃いたって件だ


ロゼちゃんの家だった館の祭壇って場所

そこに種子?って言うなんか大事なのがあったらしくて、、それとロゼちゃんの能力で力を合わせて毒素を吸って~良い感じに綺麗に、、浄化? してたみたい

なんだけど

それが悪い奴らからすると邪魔なんだって


、、だから、ロゼちゃんの命は狙われてる  らしい

多分、巫女であるシエルも含めてなんだろうけど


話が反れちゃった

えっと~だから~元を辿って~


ドラゴン! ドラゴンが狙われた理由だ


倒されちゃった意味もソコに繋がるんだろうって

とにかくあの人達は何でか知らないけどその毒素、瘴気を使ってこの世界を破滅させたいっぽいから~


『瘴気を消してしまうであろう物質』を消しに来たんじゃないかって事!? っぽい



でも、、「本当に目的が破滅なのか? 当人らにも利益がねぇ」ってシエルがブツブツ言ってた所はあたしも気になった


じゃあそしたら次は直接向かうのかな~って思ったんだけど、実際はそうもいかないらしくて、チエさんにも次の手法を考えてもらわないといけない



でも、その前に



いや   多分きっと



あたしには上手く伝えられ無い



それに


もっと詳しく知らなければいけない

だから、、、、、ちゃんとシフに教えてもらわないと









シエルの事も




あたし自身の事も









気合を入れ直した三十路が厨房へと戻った



それを合図に


従者が静かに語り出す


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