300 黄金
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
2/25 20:00
「いや、ってかよ」
銀髪の少女?が不機嫌そうに地を揺(ゆ)すり
「なっっげぇつ~んだ んっくんっく、、クソトカゲが」
分け渡された最後の一本を飲み干し
届かない程度の力で空瓶を対象の方へと放り投げる
「ちょちょちょ、まぁまぁ、まぁまぁまぁ」
(ってもう言いたくないので本当にそろそろ話畳んでくれないかな~)
溜息などはせず、出来る限りの苦笑いを浮かべる
青年が肩を落とすのも無理は無い
なんせドラゴンが語り始めてそろそろ三時間程になる
珍しい者との対談だ
「聞ける事は聞いておくか」と赤鬼がグングニルの件や瘴気の事
それと「賢者の石は知っとるか?」などと話題を増やしていたので多少長くなった感は否めない
まぁ、収穫が無かったからこそ巫女は不機嫌なのだが
聞けばこのドラゴン
うん百年前に大量の黄金を手に入れ、個人的にはソレを愛(め)でながら平和に籠(こも)っていたらしい
場所もドワーフなんかの住処とは別のもっと北側で静かに眠っていたとかなんとか
ある夏の日、約半年程前に地上で衝撃が起こり、地下の地下から起こされた
黄金を狙う者からの襲撃だと思った彼はすぐに住居を移した、、がそのせいでドワーフの開拓先と鉢合わせた と
その際、やはり黄金は狙われた
もちろん撃退した、そして対策として身近な魔物を集め配下として従わせた
そんな所だ
「要は魅了された駄々っ子って事だろぉが」
「なんで挑発しちゃうんです!?」
(止めて、無駄に焚き付けないで!? シフの偉大さが身に沁(し)みてきた)
「、、いや、今思えば本当にその通りだ 無くなってみれば守る理由は我が身可愛さの他に無い」
「ぁ? 渡さねぇとかなんとか言ってたじゃねえか」
「あぁ、だから」
「黄金は全て食ってやったのさ」
「はっ、なるほどな」
(ええええー)
「食ったんかい! カカカそりゃ~ちょっとしたどんでん返しじゃの、消化しとるんか?」
赤鬼はケタケタ笑い、鼻先をバシバシと叩く
「ふっ、開けてみれば出て来るかも知れんぞ、、いい加減生きるのにも飽きて来ていたのでな」
「ん~?あ~まぁそんなに長生きしとらんからその辺はよう分からんが、、お前さん『も』固執(こしつ)し過ぎじゃあなかろうか 引き篭(こ)もり過ぎじゃよ、折角の龍が聞いて呆れるのぉ」
「ドワーフ連中とも、もう少し早く対等な話が出来ればこんな大事にもならなかったのかもしれんな」
「お~? お~、大事にゃ~なっておらんのじゃないんかの? だからこそおかっぱが王連中に黙っとるんじゃろ?」
・・・
いつもの端折(はしょ)った言い回しに巫女だけが「そういう事か」と、、舌打ちをする
それを気にする事無く自称神は続けた
「シエルが、、あ~我慢して~時間掛けて~ドワーフ王に説明したら収まりそうかの?」
ひひひとニヤけ、申し訳程度に片手を縦に振る
「、、はぁ、どうだかな、だがまぁアイツがくせぇってのは同意だ ドラゴン様の腹ん中、黄金狙いなのか私らを最初から標的にしていたのかは知らんが一旦ドワーフ王と相談だな」
「あ! あぁ『心臓』か、ソコまで聞いたらなんとなくは理解出来ました でも、、って事はです よ!??」
バルが言い終わる前に
「あわよくば両方 なんですよね?」
来た方向から
ダイナマイトを片手に持った当人が現れた
中性的な顔の
従者に縛られた格好で
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