275 慟哭
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
3/3 23:55
「あぁ剣は戦利品みたいな物でそっちの籠手(こて)は王から頂いた物ですね、もしなんならジンさん使っても良いですよ?」
保父さん、じゃなく従者がおかわりのドリンク
それと完全に電源の落ちた幼女を座敷の方へと運ぶ
「そうなんだ?籠手が褒美ってなんか変わってんね、、じゃなくてさ!なんでそんなもん倉庫に置いちゃうかな~、あと使わね~よ?」
(正直邪魔なんすよ?ってか使えないの分かってて言ってるよね)
疲れを飛ばす為にとキンキンに冷えたやつを口に運びながら手元ではジュワジュワと音を鳴らす
巫女に言われたから、、と言うのも若干あるけどまずは自分の為、揚げたてを摘まみ、流し込む
思えば一週間くらい飲んで無かった訳で、中毒とかでは無いけど酒飲みからしたらご褒美ってなもんだ
「くああああやっぱコレだわコレ、キマシタワー」
キテはいない、し誰に言っている訳でも無い
だがコレはしょうがない
そう思うだろう? (何
、、さて
続きを語ろうか
(滑ったみたいにミルナヨ?)
え~、まず木のうろから出る所なんだが
これは単純にラフィの持ってた短剣でゴリゴリと削ってもらい時間をかけて地道に出た
アルが「めんどくさいし圧し折る?」とか構えた時は慌てて止めた
だってなんか
助けてくれた訳だし
この木がその精霊の一部かもじゃん
無下(むげ)には出来ないだろ?
脱出後は参拝(さんぱい)の様に二礼二拍手一礼(にれいにはくしゅいちれい)だけしてその場を後にした
二人には首を傾(かし)げられたし何々教とかそういうのは良く分からない
だから、軽く、気持ちみたいなものだ
その後はいつぞやと同じ様に美女におぶってもらって、月明かりを頼り帰路に就いた
(速度的にしょうがないでしょ?)
いや!これは本当に言訳では無くて、何分もう一人いたのが吸血鬼って事もあるし
再度暗闇に転じて襲って来るかも分からないから急ごうって言われたし良い匂いがしましたしょうがないじゃないk
到着前に聞いてはいたが
ロゼは無事
ラフィが火を消している間は意識を失っていたらしいのだが
シャーマンが何かした訳でも無く
ふと起き上がったんだとか
呼びかけに対しては応答せず、寝起きの様に暫(しばら)く朦朧(もうろう)としてから辺りを見回し
二度寝に入った
「なんだよ~脅かしやがって」
と安心したのだが、調べによるとロゼの左胸、心臓部の服には小さく穴が開いており
貫通した先には名刺サイズも無いくらいの薄い鉄板が刺さっていたんだとか
「下手なナイフ等よりコストもかからないし収納にも便利そうではあったな、もしカセン殿の様な腕力で投げた場合、、」
丁寧に説明されなくても想像出来た
それは限られた者であれば凶器に出来る、、暗器って訳だ
見間違いじゃなかった
あの見開いた瞳は
見間違いじゃなかったんだ
俺の目の前で倒れた幼女、ロゼはやっぱり吸血鬼なんだろう
だから一回
殺されてから蘇った
シフが復活した時と同じ様に
、、どんな気持ちなんだろう
どんな感触、いや
痛いんだろ? 絶対 痛いし 苦しかったろ
あんな小っちゃい子に、あんな顔させて
でも
何も出来ない
何も出来ないから、、
到着して同時にラフィはバァ様に抱き付いた
何度目だよ、ってな気分にはならない
目的はどうあれこっちを襲撃しないとも限らない
良かった、し本当に何もかもが頭に来る
自分のせいで周りが酷い目に合う、、
!!?
って シエルが言ってた事 その気持ちを、今やっと、身を持って知った
こんな学ばない
「にんげ、じゃない えっと」
何も出来ない俺だけど
「ジーン」
幼女を強く抱きしめ
激しく泣いた
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