272 混沌
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
3/3 22:30
「さみ~ うは~ やべ~」
黒髪黒眼の純日本人 亭主の新島 仁 (にいじまひとし)三十路
通称ジン、、では無いマスターがキッチンの火で暖をとっている
場所自体はいつものしがない喫茶店
店名は「ギルド」
カウンターの端にはクマのぬいぐるみと兎のぬいぐるみ
その二匹にファンタジーな本と物騒な名前のラクガキ帳が立て掛けられている
季節はまだまだ冬
、、じゃねえよ! あ、いや、冬だけどそうじゃなくて
今さっき森から帰って来た所、やっと自分の店に辿り着いた所だよ!
入口を開ける前から何やら騒がしいとは思ったよ?
灯りもなんかいつもより明るいな~とも思ったさ
どうしようかな~、なんか怖いな~怖いな~、、とは思わなかった、どうせカセンらがどんちゃんやってんだろな~くらいだった
んだが!?
「いらっしゃ」
「誰!?」
開口一番、扉を開けて目に付いた奥の、自分のいつもの定位置にツッコむ
「ってか店内なんか変わってね?待って、俺の店だよね?なんで?なんで乗っ取られてんの!!?」
とテンパる三十路を見もせず
「ん!」
おかわりをよこせとばかりに皿をカウンターに置くのはロリ巫女だ
「待て待て待て!スルー!?スルーは無いよ、まずその人誰よ!」
(「ん!じゃないでしょ」のくだりは俺の役目でしょうが)
「 おかえり」
少し間が空いたけど天下の巫女様からレアなお言葉を頂きました
けど、いや 「イントネーション! いつもの「 おかわり」みたいに言うなし、説明して?」
「ふふ、帰って早々良いツッコミですね~ジンさん、だけじゃないですね、皆さんおかえりなさい」
ハネた髪の従者がしっかりと間に入り
「こちらは王都で飲み屋さんを開いているコウさんです、シエル様の古いご友人?にあたります」
現状を説明してくれる様子
だが
それも、まず、そうなんだけど
「お~なんじゃアルも一緒じゃったんか? ラフィもロゼも元気じゃったか」
王都組は皆無事っぽくて
「おかえりなさい、ラフィ問題起こさなかったですか?」
それだけで胸が一杯である
そんでもって
「お邪魔してます~良いタイミングですね~しばらくお休みにしてあるのでお酒飲みながら色々打ち合わせしましょうか!」
茶髪の行商人から
「おっそいわ~待ってたんだぜ?ジンさんよ~大分話さなきゃいけない事あんだよ~?」
「なんでお前そんな馴れ馴れしく出来んの?」
「その前に、姫様おかえりなさい」
エルフ達までいる
「おおおお!うん、みんな!ただいま! 凄い!みんないるみんないるぞな!ただいま、みんなただいま!」
様々な方向から言われたからしょうがないけど「いるぞな」は無いだろ
まぁ、相変わらずの姫様語彙力は置いといて
問題は
「おお!姉ちゃん治った!?」
「むぐぐ、、う、ん エバちゃん、は相変わらずっぽいですね」
「お久~」
「あれ?隊長は一緒じゃないんだ?」
「完全に行き違ったね」
猫忍
では無く
「あ、あの、、えっと」
始めて聞く声
なのに
(やっぱり同じ声なんだな)
「うっ!え、っと お! あっと」
俺の後ろから入って来たツインテールも反応に困り固まっている
「カカカこんなぐっちゃぐちゃな人数いるんじゃ、モジモジしてたら聞こえんぞ?」
赤鬼がフォローを入れてくれたので
「とりあえず俺はエバの場所確保してからマスターさんとかシフと話しすっからアルはあっちでカセンらの世話な、んでラフィは保護者共々バルとエルフ達に情報共有しt」
「ああああああああああああ」
「あれ!?なんで此処にいるんです?」
「おおおお?凄いね~」
空気を読んで話をまとめようとしたのにバル、リッツ、それと連れて来たシャーマン
常識人組から掻き消す様に声が上がった
「ナニナニ~今度は何~」
と思って聞こうにも
「にん、、ジン おふとん~ 」
腰元をウトウトしている吸血鬼が強めに引いたので
「ばああああ!おまっ脱げちゃうだろ、何?見たいの?そういう趣味なの?」
ツッコんだだけなのだが場は一斉に静まった
「違うから! いや、違くは無いけど違うから、、ね?とりあえず話まとめよ?ね?」
危うく大勢の前で醜態(しゅうたい)を晒(さら)さずには済んだのだが
人数も人数で
かなりの混沌である
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