231 配置

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



2/20 22:00


【電池が無くなってしまうのでこの辺で僕の記録は終わりにしておきます、どうかジンさんに渡りますように】


「な!?この青年」


「間違いねぇ」


メンバーは「二個目の映像」と呼ばれたデータを今しがた見終わった所だ

最後に映った青年にラフィとスティルが驚きと怒りを向けている


「義足の青年、まさかとは思っていましたが、そうでしたか」


「あぁ、王子を殺した連中だ!」

従者の言葉に荒々しい声を上げる


「、、え!?」


「待て待て待てそんな訳ねぇよ!バルも真に受けんなって」

亭主は薄い板の電源を落とすとポケットへ滑らせ、青年の方を見る


「お~そうじゃ何かの間違いじゃろ、キーロはジンと一緒で基本戦えんしジンと違って性格的にもそんな事出来んよ」

(え、なんで俺ディスられてんの?)


「いやだとしても!恐らくだがやったのはソイツが連れてた魔物みたいなのとわんころだ」



「っん、ふぁ~  なぁチャラ男、お前は馬鹿か?」

少し間を置いた巫女が欠伸をしながら新しい大瓶に手を伸ばす


「なっ、チャラっ」

「そもそもキーロがあっち側だったらその板をソイツに届けね~だろが」


「た、確かに、、そう、だけど」


「わんころ、たしか旧都にいたアレだったな、色々繋がったじゃねえか」

相手側のリアクションなどに興味は無いのだろう

巫女は手に取った大きな瓶からグラスへと中身を移しながら考えをまとめるかの様に手紙をなぞる


「お~お~シエルよ  ととと、んっくんくんっく、ぷはぁ~ あ~繋がったのは分かるんじゃが、具体的にどう動くのか決まっておるのか?」

赤鬼は零れかけた瓶を傾け直しそのまま直接自分の口へと運ぶ


「あぁリッツの情報次第だがな、始末出来ていないんだ相手側も流石に警戒してるだろうし、、まずは王都から叩く」



・・・



いやいやいやいやいや


いやいやいやいやいやいや


分かってます派は良いんだけどさ、分からない派はどうすれば?

と思っていたら双子が声を出した


「あの、国に喧嘩を売るって事でしょうか?巫女様、私達にも分かる様に教えてもらえると助かるのですが」

「俺達は何をすれば良いですか?」


「縞々ガールズの事はしらん」


「ええっ」

「縞々ガっ!」


「お前らは面が割れてない、何をしてたかも知らんが今まで通りに徹してくれ」


「うむ、確かに巫女殿の言う通りだな、あちらの情報を吸えるのはこの上なく心強い」

フォローの為、、とかでは無く自然とラフィが寄って来た


「姫様」

「確かにそう、ですね」


「モミジとカエデのおかげでジン殿を襲った輩の正体だって分かったんだ、二人にしか出来ない事だ  宜しく頼むぞ」


雑な指示をする巫女とは違いしっかり言葉に出来ているあたり流石の長と言う所


そう、実際に今この状況下でディーン王国内を知る者、危機感無く出入り出来る者は少ない


「それとラフィ、お前は早々にあそこで寝てるお子様吸血鬼を連れてシャーマンってのに会いに行け、瘴気の件に関しては良く分からんが時間が無さそうだし最悪洒落にならんから同時進行で進める」


「承知した、本来ならば戦闘の方で力になりたかったが巫女殿の采配に従おう」


「そんじゃあ俺も姫様と一緒にぃっへぇえ」


「話聞いてた?」

「お前も面割れてないんだからこっちだろ」


「そうだな、好きに使え」


両頬を真逆に引かれるスティルにも何故か直属の上司じゃない巫女が指揮を取る


「カセンとバル、お前らは私達と王都組だ」


「お~?」


「俺もですか?」


「騙し切れなきゃ本当に国が敵に回るからなカセンは切り札だ、バルは、まぁ頑張れ」


「んうぅ!?」


「説明は後だ、最後に」



意外だった



「ジン」


「え!? え、お、おぉう?」



頭数に入っている事もだが



「お前はラフィ達と行け」



「ぶぇっへ!?」



まさかのそっち側だとは


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