225 中二
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
2/20 11:30
「シエル、思ったのだが右腕!その包帯!」
「、、ぁ?」
遅めの朝食兼早めの昼食を食べながら幼女が少女?に絡んでいる
「貴様、もしかぷにyぁ」
「おいちんちくりん」
巫女はロゼの問いを遮(さえぎ)り、鼻を摘まみながら立ち上がる
「所々で思ってたんだがお前の呼び捨て方、自然過ぎて逆に違和感があるんだが?」
「むわぁぃひゃい、いひゃい~」
「シエル様、お嬢様のお鼻取れちゃいま˝っあぁ!いったぁ~」
止めに入った従者の眉間に左手に持っていたジョッキの角がめり込んだ
「けっ、ロリ同士のやり合いだろが入ってくんじゃね~っつの」
(良いんだ?自分がロリって事でもう良いんだ?)
店の亭主がそっと巫女のおかわりを置き直し見なかった振りをする
「ふむぁシエル!貴様ぁ」
巫女の手から逃れ、距離を置きながら小さな鼻を擦る幼女
体勢を整え再び巫女に絡もうとするのだが
「ロゼ、とりあえず飯食っちゃえって行儀悪いぞ?、、あっそっかもうご馳走様で食わないのか?じゃあ下げちまうかな~」
意地悪く三十路が畳みかける
「ぇ 駄目!まだ食べる~」
「った~くよぉ」
ミシミシと音が鳴る腰と背中を軽く撫で、席に着いた幼女の椀(わん)に味が染みた昆布巻きを一つ転がす
「多分大丈夫だと思うけど食べてみ」
「ぁ、これさっきのだ、、乾瓢(かんぴょう)、味しないやつ」
「もうするから、あとメインは昆布だから」
数秒止まった幼女は困った様な顔をした後にしっかりと口に入れ
「んぐ!?わぁ美味しい!」
分かり易く両頬を抑え微笑む
「な?」
(あら可愛い)
・・・
「人間よ聞いてくれ! シエルがな!?あの包帯にはな~」
口の周りを黒くしながら足をバタつかせるお嬢はご機嫌の様だ
「ん~?シエルの包帯?それがどしたって? あ~動くな動くな」
ジンは半分聞きで洗い物を片付け、旨味の効いた煮汁を頬から拭ってやるとする
「暗黒王!暗黒王! ぁ、食後、、だから良いんだよね? そう、あれはきっと何かを封印しているに違いないんだ」
「あ~そういう事ね、はいはい、暗黒王ね」
(疼(うず)く的なヤツか、、しかしアレが暗黒王だったら、ん?)
シエルが何かに反応したらしくジッとこちらを見ている
(あれ、嘘?マジで暗黒王なの?)
・・・
(そんな、まさか、、、)
一言も口に出さず、無言で見つめて来る巫女の綺麗な瞳
脳に直接語り掛けて来るように
答えが出た
「なぁシエル、、言っとくけど」
「あんこ食おうって言ってないからな?」
視線が外れ、小さく舌打ちが響いた後に軽く殺害予告の様な台詞が飛んで来た
なんかもうマジでアレが暗黒王で良いんじゃないかと思いました
今では多少忙しいランチタイムを迎え、同時にライア隊は何処かへと向かった
情報をすり合わせたかったのだが
「基本はカセンに話したからよ、巫女様が知った件はまた今度教えてくれればそん時に聞くわ」
といつも通り猫達を連れサクッと消えた
アイドルタイム(ピークが過ぎた14時~15時頃)を迎えた頃には客と呼べる人達は居なくなり
エルフのスティルを治し終えた巫女が再び酒を要求しに来た
治療費?として巫女に酒の提供をするのは良いさ
いや、まぁラフィの部下?でアルやエバを助けてくれたらしいし?店もおかげ様で無傷な訳だ
その分の報酬としてとか考えると別に良いんだけど
「うおぉ!すげえなマジで痛くないわ」
「『なんか』なんだよな~」
三十路は巫女の酒を置き、燥(はしゃ)ぐエルフの男を見る
「ん~、どうしたジンさんよ? あ、俺にも一杯なんか作ってよ」
スティルが巫女の横まで来るとカウンターに肘を掛ける
「そゆとこ! なんかそゆとこなのよ、いや、世話になったのも聞いたけどもさ!」
「え、何?どうした?俺なんかしたっけ?別にそんな気にしなくて良いんだぜ?」
「そっちに取っちゃったか~、いや合ってる!合ってるんだけどさ~」
実際そうなのだ、コイツは良い事をしてくれた
んだけども!なんだろうかこのモヤモヤ感わ?
「はは!まぁ困った時ってお互い様じゃん?あんま気にすんなって、聞いたよ~タメみたいなもんなんだろ?仲良くやrぅ!」
手を前に出しながら勢いよくカウンターに顔面が付いた
白黒の双子が同時に叩(はた)いたのだ
「お前は~」
「もっかい腰いかすぞ?」
多分
多分なのだが
同年代だからこそなのか
俺はギャル男が苦手なのかもしれない
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