194 約束

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい




【人間の子供、生き残りか】


【浄化や供養のつもりでしょうか同胞を潰して周っている様ですね、しかしあの年であの眼は、もう正気とは思えませんな】



・・・



【可哀想ですが、殺めて差し上げた方が】


【いや、本人が決める事だてめぇが勝手に決めんな、ロゼんとこ行っとけ】


【畏まりました】




【ガキ、名前は】




【今からてめぇの怪我は治してやる、後は自分で選べ】




【そうか勝手にしろ、但し私の目の前で死ぬ事だけは許さん】










【生きたいと願ったの貴方ですから泣いている時間はありませんよ?】




【選んだ道は茨、酷でしょうが稽古くらいは引き受けますから少しでも強くなって下さい】










【今度は何して遊ぶ?私は悪の親玉がやりたい!】




【クックック、クックックックッ!クック! ほら一緒にやるぞ! クックック!】




【あぁお前は私の部下 いや、家族なのだから弟に当たるのだろう、ならば悪の~? 子玉だ で?あろう?】




【親玉の下はこだまであr】

【うるせぇ此処でやんな、他でやれチビ共!】


【○○〇様もお部屋へお戻り下さい、此処はキッチンで御座います】










【炊事もやりたいと?そうですか、掃除だけでも十分役立っていますが】




【いえいえ、構いませんよ私(わたくし)に出来る事であれば指導差し上げます】




【しかし、まずはその言葉遣いからですね】




【ふふ、少なくとも〇〇〇様の口の悪さだけは絶対に真似をしてはいけませんよ】


【おいこらてめぇ、居ない所で言えや】










【〇〇〇様、お嬢様が】




【ちっ、瘴気の吸い過ぎだ調子に乗りやがって】


【クック、はぁ ○○〇何を狼狽えている? 我が】

【うるせぇ喋んな】




【はぁ はぁ 案ずるな、はぁ 心配無いこの程度でどうこうなる訳が】

【うるせぇっつってんだろが殺すぞ!】







【〇〇〇! ごめん、次からは無理しないからちゃんとやるから!死んじゃダメだぁ】


【ぁ?そういうの良いからさっさとベットに運べや】


【お嬢様まだ瘴気が抜けきっておりません、心苦しいですがもうしばし宜しくお願い致します】


【う、うん】


【私(わたくし)は〇〇〇様をお部屋に連れて行きますので】


【うん、分かった、、】




【え、一緒に居てくれるの?】




【そう、、さ、流石私の、、あ!  クックッ!流石だ我がこだまよ!】




【良いの、そこは私と一緒にクックックって言うの】










【〇〇〇様、ディーン国からの使者が来ました】


【ちっ、アイツ何も分かってねぇな】


【如何しましょう】


【めんどくせ~が私がアイツの目を覚ましに行くしかねぇだろ、最悪ロゼはてめぇが責任持って守れ】


【畏まりました、、あの子は、如何なさいますか?】



・・・



【アイツの好きにさせろ】


【宜しいのですね?】


【ぁ?】


【いえ、承知致しました】










【やはり向かいますか少し寂しくなりますね、しかしこんな早くに出て行くとお嬢様が悲しみますよ?】




【ふふ、それはそれは絵本の様ですね、後ほどケーキでも焼いて差し上げましょう】




【私(わたくし)から特別何か言う事はありませんがそうですね、、ハンカチは持ちましたか?】




【身嗜みは大丈夫そうですね、ではいってらっしゃい】



















はっ はっ はっ



(あぁ、痛い)



はっ はっ



(熱い、痛い  痛い)


(息も、もう 上手く出来ない)



千切れかけた動かない足を引きずり

手首の無い左腕で地を這った

右腕は逆へと曲がり

複数穴の開いた腹部から血が止まらない

今にも意識を持って行かれそうになる



はっ はぁ はぁ



(いや)


(駄目だ、まだ  まだだ)



頭部は守った


だが


顎は欠損し破れた頬からは折れた歯が剥き出しになっている



【や、ぁぐ ぞぐ】


【ば  ぁもる  ばぼ  だだい おおぉ】







【いたぞ!】


(死にたくない  いや、まだ死ねない)


【殺せ!!】


(まだ、まだ死ぬ訳には)



【おいこら】



!!?



【な、なんで此処に! あっぐああああ】



【ソレは私の従者でな、、よくもまぁここまでやってくれたな】










【アイツは変わってしまったよ、時期が来たら母体としてアレも回収されてしまうだろう】



【あ~うるせぇ喋んなとりあえず聞くだけ聞いとけ】


【此処から南に王都ってのがある、『目が覚めたら』そこの聖堂にいるのを守ってやって欲しい】







【ちっ、ジルバの奴め気が利かねぇ、結局背負わせちまったじゃね~か】



【せめて、、いや、ねぇか】





【クソが】










傷だらけの少年が初めて


王都の大聖堂を訪れたのはその数週間後の話だ

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