79 大人

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



8/21 14:20


一行はやっとの思いで我がギルドへと帰還した



「腹減った、なんかよこせ」

「嘘でしょ!?」

ギルドに入って早々すぐ後ろの銀髪の少女?に突っ込みを入れるのはギルドのマスター

「え? 何?蒸発してるの? もしくは病気なの!?」


ロリ巫女は何も言わずに亭主を見上げている


(ヤメテ、無言は一番怖い)

「、、、あ~、はいはい なんかあったっけな~」


ポストに入っていた何枚かの依頼書と手紙を整理しながら、ふと小さく開けておいた小窓を確認して 保存庫へと足を向ける

(お、ルト  ちゃんと食べてったんだな)



「お~? こう見るとしっかり常連が増えて来た様にも見えるのぉ」

赤鬼はカウンターの角端、定位置へ座り くふふと笑いながら周りを一周確認する


カセンの隣にはアル次にラフィ、バルが座り

カセンの右後ろの二人席にシエルとシフが座る



「座敷の方にもメンバーが欲しいところじゃの?」


「いやいやいや、、普通のお客が座れね~じゃんか」

マスターが一升瓶を赤鬼の前に持って来る


「いっそメンバーでいっぱいにしたら良いんじゃないかの?」


「お前ら基本金落とさね~だろがぃ!  ほれ、なんか来てたぞ」

巫女らの机に一通手紙を置く


「あ、ありがとうございます~」

従者が受け取りささっと中身を確認する


「あの~、私は何処に座れば?」

茶髪の行商人だけが席に座らずに店内をウロウロしている


「え? いや適当に座りなよ 緊張しなくてもその巫女の店じゃなく俺の!店だからな ってかあんだけ飲み食いさせてもらってまだ食料もくれるとかどんだけ儲かってんのよ」

その行商人リッツにまたも大量の積み荷を頂きマスターはほこほこ顔である



「そうですか? では、巫女様の隣の席にでも、、、でももったいなかったな~、昨日来た時はもっと新鮮な物があったんですけど 皆さんいらっしゃらなかったので港で交換しちゃったんですよ~」

リッツは巫女達の隣の二人席に一人で腰を掛ける


「いやいやいや! 十分だよ~、ありがたやありがたや!」


「乾物ばかりですいませんね~ あ、そういえばなんか小さな女の子が一人いましたけど 何か入用とかでしたかね?」


「え~?女の子? 、、、小さな女の子なんてそこの巫女くらいしか知ら うお!?」

巫女の方向から割り箸が飛んで来る、、様な気がしたので少し顔を傾けたが特に何かがあった訳では無い


「ちっ」

軽く眉間にしわを寄せた巫女から小さく舌打ちだけは確実に聞こえる




「さて、ではラフィがここに来た理由も含めて巫女様に聞いてもら、、と思ったんですが、、」

バルが話をまとめようとしたのだがカセン以外から明らかに眠そうな空気が漂っている

「う~ん、明日にしましょうか? 俺も流石に眠たいですし それに、、」

(この行商人を巻き込む訳にもいかないし)


「お~、じゃあ今日は眠くなるまでみんなで飲むとするかの?」


「さっきあれだけ飲んでたのに!?」

商人リッツが驚きながら苦笑いを浮かべる

「あ!でも、、、そうしたら私も良いですか? 今日はもう予定も無いですし明日は休みにしてあります! やっとカセンさんと飲めますよ~」

流石商売人と言ったところか 苦笑いがコロッと素敵な営業スマイルに変わる


「止めといた方が良いと思うけどな~  まっ、若者には良い経験か はいよ~こっちもどうぞ~」

ジンはとりあえずの付け合わせと適当な酒を一本ずつ配って回る


「あぁ、マスター何から何までかたじけない、お腹は収まったのだが喉が渇いていたので助かるよ」


「ちょっとジン! ラフィは良くてなんであたしはダメなのよ」


「まぁ~だ言ってんのか、未成年はダメなの! お前はこっち」

アルの前にはお茶が置かれる


「ラフィだって未成年だし! 同い年だもん!」

「え!ウソ!?」

ジンが振り向いた時にはもう遅く エルフが瓶を直接呷(あお)っている


「うっわ、ごめん」



「あぁ~大丈夫ですよ? エルフは15で成人ですからジンさんが気にしている様な事は無いですよ」

バルも瓶を開け口へと運ぶ


「あっぶね、そうなんだ 良かった~ そっかそっかじゃあ俺も乾杯」

(アレか外国とかそんなんあるって聞いた事あるし)

ジンも瓶を開け口へと運ぶ



「しょう↑なんだぞ!?」







エルフから変なイントネーションが聞こえ豪快に吹き出す

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