63 遺跡
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
8/20 14:20
先程遺跡街に到着した4人は馬車を入口付近の馬屋に預け
3人が乗って来た馬車を見つけた
「まだ、町から出ていない様だな」
巫女の顔が険しくなる
「確かに三人は村長さんの家を聞いてから向かったみたいですね」
村人から聞き込みを終えシフが戻って来た
「お~村長と三人が遺跡の方に向かったのを見てたのがおったぞ、この辺で争った形跡も無いしとりあえずそっちに向かうかの?」
片手に持ったソレを飲酒しながら、、だが彼女はこの村で顔が利く
なんならカセンがいるだけで勝手に住民が寄って来てくれるので情報収集はかなり楽だ
「あ、じゃあ早々に行ってみようよ、俺も依頼表は送ってもらっただけで顔見た事無いし」
「は?」
銀髪の少女?が三十路を見上げる
が
「うん?どうした?」
単純に何が悪いのか分からず自分より下へと目線を動かす
「、、なんで一般人のてめぇが遺跡まで付いて来る気なんだ?」
・・・
「え、え!? 力を貸せって言ってたじゃん?」
そう、ちゃんと格好は登山に行く様な動きやすいリュックスタイルだ
「遺跡の中は危険だって前言ったよな?」
「いや、でもあいつら向かわせたのも俺だしさ」
「私も入った事は無いが、、邪魔だからここで待ってろ」
「ここまで来たのに!?」
「そもそもお前が馬車に乗った時から不思議だったんだよ」
「おまっ!きったねぇ~ 昼飯用に持って来たやつ食ってから言うのズルいだろう」
ここに着くちょっと前に自分とカセン用に握り飯をいくつか持って来ていたのだが一つシエルにも分けてやったのだ
「あ~まぁまぁ、ロリ巫女よ あっしが守るから連れてってやろうじゃないか、さっさと行かんとアルが危ないかもなんじゃろ?」
赤鬼が二人の間に入り巫女を小脇に抱える
「アラヤダイケメン」
「ちっ、死ぬのは許さね~からな」
抱えられながら少女?が中指を立てる
(え~も~言ってる事と行動と体勢がぐちゃぐちゃじゃないですか~)
ジンは手、足首を回しながら赤鬼の後を追う
8/20 14:50
一行は欠けた石畳を通り廃墟の様な遺跡へと到着した
「おおおすげえな」
(ダチと行ったカンボジアみたいだな)
「、、嫌な予感がする、急ぐぞ」
巫女はいまだにカセンの小脇に抱えられたまま難しい顔をしている
「お前よくその体勢でその台詞言えるな」
「ジンさん気をつけて下さい、シエル様の勘は当たります」
従者は先頭を小走りで走り出す
「あ、おん でもツッコミは必要じゃん?」
ジンもシフの後ろを追う
「お~お~ロリ巫女 どうする? 自分で走るか?」
「さっさと降ろせ」
アーチをくぐり遺跡内部へ侵入
足場の悪い段差を駆け抜け
各所で何かの石像であった物や外壁が崩れた物、遮(さえぎ)っていた残骸はカセンが除(の)けた
「なんか、徐々に狭いし崩れてるしで道なき道だけど本当にこっちで良いのか?」
亭主が現在先頭を走る少女?に問いかける
「うるせー 集中してんだ喋んな」
「ぉ、ぉn」
サクッと怒られたので少しだけ下がった
「あ~、ん~この辺り 地震でもあったのかの?」
赤鬼が気にせず口を開く
「まぁ色々崩れてるけど~劣化じゃない?」
「ん~む? いや、揺れた後と言うべきかこの辺だけを揺らした様な?」
!?
ビタリと先頭の巫女が止まった
「えっっとっとぉ、、何 どうした」
ジンは急に止まったシエルに衝突しそうになり横へとそれる
と
破れた大きな麻袋から血の池が広がっている
「な!?」
驚き、後退る三十路をよそに従者が袋を調べる為、駆け寄る
「人か?」
巫女が小さく呟く
「、、、、酷い 食われてます 何人かの残骸ですが恐らく成人男性のモノや、、子供、あの子らしき亡骸は見当たりません」
シフは袋を丁寧に畳む
ドゴン
「うおぉ!?」
またも驚くジンをよそにカセンが地に穴を空ける
「こっちに埋めてやると良い」
シフは血の滲む袋を抱えカセンの開けた穴に埋葬する
(故意的に人を食ったって事は異形では無い、吸血鬼か いや、だとしたら日中生活しているのが不自然だ もしかして)
「クソが、急ぐぞ」
苛立つ巫女が走り出すと
すぐ次の部屋で一行は大きな穴と遭遇する
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