70 茶会
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
8/20 18:20
「、、、あのさ」
「しっ! こういう時は少し黙って様子を伺うのが大人のたしなみってやつだ」
ワクワク、キョロキョロするエルフを余所にアルはジンに言われるがまま行儀良く席に座っている
「ちゃんと後ろで聞いてますので~ 基本はジンさんに任せますね?」
他人事の様に従者は手際良く荷物からタオルケットを2枚程取り出すと巫女を床に寝かせる
「ん~む、よう分からんが色々と『聞き出せるのなら』良いのかの~? あっしはもうそろお酒が飲みたいんじゃが」
赤鬼は言葉を強調しながら机に腕を投げ出している
「さぁ準備出来たわ、一応人間でも飲める物だとは思うのだけれど?」
小さな机には得体の知れない液体が4つだけ並べられている
2~30分程前だ
すぐにカセンが到着し扉を閉めると一行はある部屋へと通された
いたって普通 電力室の中にある一室、小さな会議室
いや、応接間といった所だろうか
椅子の数が足りず、、と言うよりもドールの女の指名で
ジン、カセン、アル、ラフィの4人が対面できる椅子へと座った
すぐ後ろの角にシフがシエルを寝かせバルはラフィの後ろで腕を組んでいる
「えっと~、聞きたい事は沢山あるんだけどさ さっき俺になんかしろとか言ってたっけ? あ~ってかさ、まず君の名前は? 俺はしがない喫茶店のマスターでジンって言うんだけど 君は何者で此処は何する所、、なのかな?」
・・・
「シカト!?」
「ぶふぅ!」
ジンの言葉にカセンだけが吹き出すのだが対面のドールは無表情のままだ
「あ、あのさ あんたもしかして『エバ』って名前なんじゃない?」
アルがおずおずと言葉を発するとドールは反応を見せる
「やはり アナタがマスターの使いなのかしら?」
「マスター? 何?」
「その足、妹といった所なのかしら いえ、アナタはあくまで生物だから別の呼び方になるのかしら 何か聞いていない? なんて呼ばれていたのかしら? コードやナンバーでも良いわ、そこから思考するのも楽しいもの」
「え、ちょちょちょ、凄い食いついた! 何!何?!あたし分かんないよ~」
食い気味に身を乗り出すドールから逃げるように両手を振る
(あ~、巫女様が嫌がってたのはこういう事か)
「コレ、、埒(らち)明かないやつ、です?」
ラフィの後ろのバルは時間がかかるのを見越し壁を背に座り込む
「お~やっぱりこ~なるか~ あっしも寝るううう ジンあとは頼んだ!」
赤鬼も腕を突っ伏したまま机に顔をつけ目を瞑る
「え、ちょ!ま ちょ ちょめちょm」
ぶん投げられた事に動揺しているマスターをスルーしながらも赤鬼の口元はにやけている
(く、くふふふ ちょめちょめってなんじゃ)
「あ、あのの! 一つ良いか?」
やっとの事の様にエルフの長が口を開く
「これは、飲んでも良いのだろうか?」
「ダメ」
「ダメー」
「ダメ!」
「ダメですよー!」
「流石にあっしでも飲まんぞ?」
「む、そうなのか? 喉が渇いていたのだが」
・・・
「どうぞ? その為に持って来たのだけれど?」
このドール
(もうどこで反応するのか分からない)
「そうか! では頂くとしよう」
「ちょ! ラフィ、ダメだってば」
アルが止めるよりも先にラフィは目の前の液体を一気に飲み干す
「あぁ」
「む? 出された物を残すのは失礼だろう? そんなに美味くは無いが大丈夫だ、毒の類は入っていないみたいだぞ?」
(ソレを言葉にしたらもう失礼だけどな!)
残り3つの液体は対話の後も場に残っていた
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