68 救出

本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい



8/20 17:20


一同はカセンが足止めしている隙にラフィらの居た部屋へ入ったのだが

扉が割れている事に気付き荷物を抱えるとすぐ隣の少し狭まった部屋へと逃げ込んだ




「ぜはっ ぜはっ た、助かった~」

ギルドのマスターだけが肩で息をしている


「だから来んなっつったろが」

巫女がアルの治療を終え、続けてバルの折れた腕を治している


「い、、いやぁ、ぜぇ 来て  はぁ 正解じゃん? エレベーター とか?」



・・・



「シカト!?」




「すみません力不足で、助かりました  しかし本当にすごいな~、腕の痛みがもう無い」

真剣な表情の巫女にバルは頭を下げる


「いや、お前らがいなかったらクソガキは死んでただろうし  あの蛙の化け物はやったのか?」


「えぇ、そこのエルフのラフィが」

眠るアルを優しく撫でているエルフが巫女の方を向く


「例の巫女殿だな、エルフの長をしているラフィと言う  本当に、下げる頭がもう無いくらいだ」

膝にアルの頭が乗っかっている状態でエルフは首を垂れる


「あ~いい、いい  さっさと説明の方をしてくれ」

いつも通りの照れ隠しなのかしっしっと追い払う様な仕草をする





ラフィが簡単に状況の説明を始め巫女、赤鬼と話をすり合わせる



巫女暗殺要請を出した者、遺跡の村の代表代理が『魔族』と言う種類の類だった事

巫女でも魔族に関しての知識は本でしか無く

エルフは過去の件と共に今回の男の巨大な魔力、一度爆破させたが怪物となり追って来た驚異的な再生能力について 『注意点』も羅列した

自分の剣が血を吸う魔剣だと言う事も共に


「だから人形相手では変になってたのか」

バルも横から話に入ると朝方赤鬼と話していた事も皆にすり合わせる


代理の男は最近王都から派遣されて来た事

情報自体は聞き出せなかったが火を扱う魔法使いの件もあり王都に巫女を狙っている者がいると言う事はほぼ確定した




「それと、私の方からも大事な要件があるのだが」

「ストップストーップ」

エルフが話を続けようとするが喫茶店のマスターが立ち上がる

「それ、帰ってからにしない?   入り口の扉の音デカくなって来てるんだよね~」


「お~そうじゃの? 救出は成功したんじゃし出てっても問題ないじゃろ」


「あれ? あのドールの女性の所には行かなくて良いんですか?」

従者が皆の荷物を綺麗にまとめ、個々の近くへと置いて周る


「色々知ってそうではあったがのぉ? ロリ巫女の顔見てみぃ」

究極に嫌な顔をしながら従者を睨み付けている

「シエル様優先で帰りましょう!?」



「ごめん  そのドールの女性ってのに会いたいんだけど」

アルが身体を起こす

「みんな、今回も、、その ありがとう」


「クソガキ、てめぇだけは帰ったら説教だ」

「お~アルよ?  『その為』に来たがってたって事じゃな?」

赤鬼が巫女の前に出る


「ごめんなさい、、記憶が曖昧で 確信が無かったから」


「あの子もあの見た目じゃったからのぉ、巫女もなんか関係はあるとは思ってたじゃろ?」


「シエル様は治癒で疲弊してますし眠っていても構いませんよ」

従者は荷物を首にかけ前に回すとおんぶの体勢で待っている



「ちっ、、めんどくせ~」

悪態をつくがかなり消耗しているのか素直にシフの背中へとおぶさる


(なんだあの可愛い生き物は)

それをエルフがキラキラ目で追っていると




ガッチャアアン






扉をぶち破り人形が部屋へと侵入する



「えええええええ」


「ラフィ! 閂(かんぬき) は!?」



・・・



「え、えとえと、あのの  バルを抱えて、、、あ!」





先程戦闘していた通路の床に魔剣が寂しく刺さっているのが見える

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