14 始動
本作品は群像劇です、目線、日時にご注意下さい
『・・・であるからしてそのスペックを多様化して頂きたく思う!
何故なら今あるアジェンダ! 課題を一つ一つ払拭していく為の力をそなたは持っているのだから!!
ダイバーシティはこれからの王都において大切な考え方である
コンセンサスがとれるならば勲章として紅蓮の、いや 紅の騎士! いやレッドナイトとして王宮での生活を約束しよう 良いですね』
4/27 17:10
「とかなんとか言うとったんじゃがのぉ 3時間くらい経っておってその他はほぼ覚えとらん」
とりあえず赤鬼のジョッキだけは一瞬で空いた
「へぇ!カセンって案外我慢できる子だったんだ」
もっとなんかこうへし折っていくタイプだと思っていたので素直に驚いた
「大臣の話が長いと言うのは町の噂で聞いた事はありますが、それは 中々しんどかったですね」
流石のキーロも苦笑いである
「あれ? じゃあ何?カセンは王宮勤めになったのか? それって凄いんじゃないの」
頭の中では単純に王族のボディーガードとか将軍とかの部類だ
「あ~ 嫌じゃと断りを入れて来たわい」
「なんでだよ? 飲み放題だろ? 多分」
(なんか失礼な解釈かもしれないとは思うが)
「お~お~ まぁ聞け」
カセンの出したアンサーとインセンティブはこうだ
1 王宮勤めはしない(半分良く分からなかったのもあり)
2 火の国の異変も繋がっているかもしれない為、随時情報をくれれば異形討伐の協力はする
3 ソレに伴い報酬は酒をもらう ここ、旧アイリの店宛に定期的に配給してくれ と頼んだらしい
(どうやらカセンは多少の額や地位よりよっぽどな報酬を手に入れたようだ)
「色々と足を運ぶには都合が良い場所なのでのぉ」
「え、いやまてよ? じゃあ俺 奢らなくて良いんじゃないの?」
思わず手を挙げる
「あぁ、酒が届くのは一週間後らしくての?」
力づくで手が降ろされる
「、、貯金すっからかんになっちゃうから毎日は無理だぞ」
(詐欺巫女に110万持って行かれたしな)
「でも どうなるんでしょう」
ふとキーロが疑問を持つ
「ん?どうとはなんじゃ?」
「いえ、先程も事務所で話になっていたんですけど 復興しても実質持ち主がいないので移住者の問題と その~」
言いにくいのか気が進まないのか珍しくイラ立っている様にも見える
「移住か~、確かに王都からこっちに移る人は少なそうだよな~」
「ふむ、まぁしばらくは閑古鳥が泣くじゃろな しかし場所が場所じゃ 行商人達が勝手に商売始めるんじゃないかの?」
「いえ、あの 復興が終わっても王都側では領主を探さないらしくて」
「ん?えっと? それってどういう事?」
現代人だからか知識が足りないのか俺にはいまいちピンと来ない
「な!? あんのハゲ 簡単に言えば今後関与せんから山小屋として使えって事じゃな?」
赤鬼も珍しく眉を寄せている
「そうですね、行商人の方々にとっても警護や依頼が無ければ通過点としての商売も、、どうなんでしょう」
「は? え? なんだよそれ」
「問題等考えるとしょうがないんですけど なんだかやりきれないです」
「いや! でもさ、以前から領主なんてポジションの人いたの? 言っちゃなんだけど館みたいなものとかも無かったし」
失礼を承知だが問題を把握しない事には進まない
「えぇ、そんな大層な人はいませんでしたがオールさんと言う方が村長代理の様な事をしてくれていましたので」
「ふむ、確かにそうじゃのう 魔物がどこから現れたのかも分からぬ以上余程の物好きでも代表なんぞやらんじゃろうな」
「他の国からの攻撃、陰謀説なんかも出ています 次何かあればそれこそ復興もしないでしょうし廃墟になると思います」
「む~、あっしが居着いてやるんじゃ簡単にそんなんさせんのじゃがのぉ?」
少しの間無言の時間が続く中ふとジンが口を開く
「えっとさ領主さんや村長さんって国の誰かとやり取りをするものなの?」
「え? え~と、確か王都に役場がありますのでよっぽど何かトラブルが無ければほとんどはそこで」
(市役所みたいなものがしっかりあるのか)
「はい、どうぞ~焼肉定食と強めのやつも持って来ました~」
犬耳のおばちゃんの声と共に何故か焼肉定食も3つ来る
「あ、どうも は~なるほどな~、キーロの目安でさ?復興自体はどれくらいで完成しそうな見通しなの?」
「お話の通りになりそうですから 寝泊り場をいくつかしか作らないっぽいんですよ なので残り一ヶ月もしないでしょうね」
「そっか、、そっか あ! 肉も来たしとりあえず食べようか あ~それとカセン 奢るのは今日だけだわ」
「お~!?なんでじゃ!? お肉も頼んだからか~?」
「買いたい物が出来た」
5/27 8:00
一ヶ月後の王都役場
「すいませ~ん 事業計画書を作って来ました、提出はここで良いんですよね?」
男は役場の門を叩く
「えぇ、はい 事業計画書ですか? え~と、喫茶店 飲食業ですね どこかに物件はお持ちですか?」
きちっとした格好の羊の様な角を持つ女性が丁寧に対応する
「いえ、それもここで相談出来ると聞きましたので」
「ではこちらへどうぞ ご希望の地域はありますか?」
「えぇ、復興したばかりの村がありますよね? そこでお願いします」
「え、、と ほぼ空き地と同等ではありますが紹介がない場合現金での売買となりますけども?」
「はい、調べてきましたので大丈夫です 村自体が1000万で売りに出てましたよね」
赤いリュックから現金を出し机に並べる
「た、たしかに 丁度頂きます、、けど 良いんですか? 少し前に、、その~」
「えぇ、大丈夫です! 間違いありませんよ」
力強く返答する
「そ、うですか ではこちらの用紙にまずお名前をフルネームでご記入をお願いします」
(フルネームか まぁ、そうだよな)
申請書、契約書、ついでに移住届 等々
そもそも身分の証明すら今の今まで出来なかった訳だが
全ての紙面にはしっかりとフルネームで記入されている
新島 仁 と
序章 完
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