浅ましくも、


浅ましくも思う、許されたい、と。

たぶんこれはきっと、思う、というよりは、願う、というものなのだろうけど、


当然誰かに向けたもの、のようなことはなく、ただただうわ言のように、気がつけば何度も、何度も繰り返してしまって、


埋めることのできない空虚が、静けさとともに襲いかかってくる。


私はただ、許されたい。

浅ましくも、傲慢にも、強欲にも。


だけれどどうか許さないで。

きっと、許されてはいけないの。

そう、深く、深く声が響くから、


息をしなくてはいけない。

瞼で私と世界を切断して、ゆっくり、深く息をする。


矛盾に塗れた答えのない問いのようなそれを、強く押しとどめて、

私は、今日も生きないといけない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る