第84話 ゆかいな固有名詞

 息子の同級生に「バター」くんという男の子がいます。

 最初にその名前を聞いたとき、夫ともども「え? バター?」と聞き返しました。パンに塗って食べる、あのバターと発音がまったく一緒です。スペルは違うらしいのですが。


 英語は同音異義語が日本語よりはるかに少ないので、こういう発音がまったく同じなケースは珍しいのです。バターくん、会ったことがありますが、顔の感じからするとアジア系っぽい。英語圏の名前じゃないことは確かです。


「名前のことで本人をからかったりしたら、ぜったいダメだよ」と息子に念を押す夫。

「名前をネタにした冗談はね、本人にはおもしろくないんだよ。同じ冗談をたくさんの人に言われるから。繰り返し言われる冗談は、ウンザリするだけで、ウケないよ。すごく嫌な気持ちになる人だっているから、名前をネタにした冗談は言っちゃダメだよ」


 そう熱弁する夫に、コクコクと首を縦にふる息子。ふむふむ。確かにそうだな〜。夫、たまにはいいこと言うじゃん、と感心した次第です。


 日本語の名前でも、英語圏の人からすると、え? と思うようなものがあります。


 だい(「大」と書くことが多いでしょうか)→ Die(「死ぬ」という意味の動詞)

 ゆう→ You

 あい→ I

 まい→ My

 

 などなど。以前、金田かなださんという女子大生にメルボルンでお会いしましたが、国名の「カナダ」とほぼ同じ発音なので「ミス・カナダです♡」を持ちネタにしていらっしゃいました。


 コロナ前はよく利用していた福岡空港。空港の略名がFUKなのですが、英語圏の人からすると、まんまファ○クと読めます。チェックインの荷物に付けるタグに、大きくFUKと書いてあるのを、夫は目を輝かせて写真に撮り、嬉々としてSNSにあげてました。中二男子か。


 逆に、日本語圏の人間にとってびっくりする名前もありますよね。


 エロマンガ島(南太平洋、バヌアツにある島)

 キンタマーニ村(バリ島有数の避暑地)

 マル・デ・アホ(アルゼンチンの観光地)

 マン湖(アメリカ合衆国オレゴン州にある湖)

 さらにレベルアップして、オマーン国際空港*(え? 何が臭いって?)


 くだらないって分かっていても、自分の中にいる永遠の中二が、懲りもせずに爆笑してます。


 失礼しました〜!


*実在しません。オマーン首都にある国際空港はマスカット国際空港です。


追記:日本人にびっくりの珍地名、メルボルン在住の日本人の友人に教えてもらいました。もしかしたらコレ読んでるかもしれないので、この場を借りてお礼申し上げます。

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