第28話 合否の境

 コロナで自宅勤務が続いていたのですが、自宅勤務中はいつもスッピンでした。最近、週に一回、オフィスに出勤するようになり、久しぶりにお化粧をしました。


息子(5歳)「ママ、なんか目のあたりが違う。どうしたの?」

私「お化粧したのよ。」

息子「ふーん。とってもかわいいね!」


 ど、きゅーん……!


 どこで覚えてきた、そんな女あしらい。自分の息子ながら、100点満点あげちゃう♡


 朝からちょっと気分が上がったところで、さらに、


娘(8歳)「ママは、お化粧してないときも、かわいいよ。」


 な、なに〜!


 だから、どこで覚えてきた、そんな詐欺師の常套句みたいなセリフ。娘も文句なしに合格〜!(注:子どもというものは、ある一定の年齢になるまでは、自分の母親のことをかわいいと思うらしいです。)


 気分がサイコーになったところで、夫が寝ぼけ眼で起きてきた。


私「ねぇねぇ。今日の私、どうよ?」(←あからさまに褒め言葉を待っている)


夫「……? うーんと、普通?」


 あなただけ、不合格〜!

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