第26話 40代になりたくなかった理由を考えてみた

 まず最初にショックを受けたのは、甲子園で活躍する高校球児が年下になったときです。あの憧れのお兄さんが、いつの間にか年下になってたときの衝撃よ……。タッチの上杉達也が年下って……うわーん(涙)。てな感じでした。


 同列で、少女漫画の主人公が年下になったのに気づいたのもこのころ。


 それから着実に時は過ぎ、好きだった小説、漫画、テレビドラマの主人公などがどんどん年下になっていきました。さらにはサザエさんやのび太くんのママなど、主人公の親の年を追い越していきました。サザエさんものび太くんのママも、きっとアラサーですよね。


 ふと気づいたら、紅の豚に出てくる「ザ・大人な女」のマダム・ジーナも年だけは追い越してました。ていうか、ああいう色っぽい「大人な女」であった時期がないんですけど、まあ、素材が素材だから。ふっ(涙)。古今東西「私も大きくなったら、きっときれいになる。」と夢みる少女は多いと思いますが、そんな少女の多くは、ジーナさんみたいな大人の女を夢見て、気がつけばサザエさんではないのでしょうか。


 数年前、夜中に突然、身体中に発疹がでて、急いで病院に行ったことがあります。そのとき、キレッキレのトリアージュ・ナースも、すぐに対応してくださったイケメンのお医者さまも、見た目が20代っぽくて、「うわぁ。」と思いました。立派なプロフェッショナルの大人が年下な状況で、「私だって、年だけは『いい大人』なんだ〜」てな感じに、感慨を覚えました。


 ちなみに、一寸法師を授かったおばあさんは、41歳ですってよ。昔は40過ぎたら老人だったんですよねぇ。うへー。


 私が好んで読む小説は、女性作家が書いた、女性視点のものが多いのですが、主人公が30代が多いんですよねぇ。年をとって死に近づくということに、恐れや抵抗を感じるのは、自然な感情なんだと思うんですけど、そういう普遍的なことじゃなくて、もっと世俗的なレベルで、40代になるのに抵抗があったんですよ。で、結局は、「大好きな小説の主人公の年をとうとう追い越しちゃった」とか、そういう些細なことが、嫌だったのかなぁと思います。


 これからは、40代以上の主人公が出てくる小説を、積極的に読んでいこうかと思います。うん。


蛇足:フランス制作のラブコメを先日観たのですが、主人公がアラフィフの女性でした。映画だとかを観る限り、フランスって、年を重ねた女性がロマンスの対象である感覚が浸透してるなぁと感じます。実際はどうだか知らないですけど。フランス映画も、積極的に観るようにしよう。うん。

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