虎のおさな心

無垢なる白が

よくよくと赤を語る

金の瞳が射抜く先

どろりと赤が咲く

桃の唇から

とろりと語る言の葉は

何度も呟く

そばにおいて

決して棄てられないのを

知っている

したたかで

雪化粧の君が

幼い姿で

悪夢を語り

細い手足で

臓腑を握る

そばにいる

そう紡がれる言葉の裏に

嘘はない

ないからこそ

その無垢の白が赤に映え

金の瞳が

こちらを射抜く

おさな心の臓腑を差し出し

こぼれ落ちる桃の唇から

赤い舌がちろりと見えた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る