第13話 復讐終了



 そんな事を続けて最後に残ったのは、三人の姉だった。


 彼女らは、意地汚いだの、小うるさいだの互いをなじりあって、お互いを殺しあった。


 実際に手にかけるのは私だったが、彼女達には明確な殺意があった。


 死んでもかまわないと言い放ちながら、次の犠牲者を選んだのだから。


 それで最後に残ったのは、一番上の姉と二番目の姉だった。


 だから私は二人にナイフを持たせて、殺し合わせた。


 すると勝者は、無残な敗者の姿を私に見せつけて、こちらの機嫌をとるように行動した。


 負けた人間を、めちゃくちゃにして殺したのだった。


 結果は、一番上の姉が勝った。


 だから私は、最後の仕上げに向けて、次の行動に。二番目の姉を踏みつけて喜ぶ一番上の姉を、解放する事にした。


 解放された姉は、凶悪犯に監禁され身内を殺されたという、そんな悲劇の女を演じた。


 しかし世の中の人間は信じなかった。


 彼女の悪行についての噂を、ある事ない事を、広めたからだ。


 結果、姉を助けてくれる人間は誰もいなかった。


 季節は冬。


 庇護を受けられなかったため、寒さと飢えに苦しんだ姉は、路上でカラスにつつかれ、野犬にかじられ、最後には雷に打たれて命を落とした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る