第9話 恋敵に復讐



 必然的に並行作業で嫌がらせする事になったのは、平民の女だ。

 私から王子を奪った憎い女。


 あの女さえいなければ、王子はずっと私の隣にいてくれたのに。


 だから、王子とあの女の思い出の場所で嫌がらせする事にした。


 あの女が王子からプレゼントをもらった場所で、大切なそのプレゼントを粉々に砕いてやった。


 あの女が王子から告白された場所で、女の過去を面白おかしく書き立てたゴシップ記事をばらまいてやった。


 あの女が王子と唇を重ねた場所に、暴漢共をおびきよせて、あの女をボロボロにしてやった。


 その後、あの女は王子の前から姿を消した。


 あの女は、きっと最悪の事態におちいったのだろう。


 王子に詫びの手紙を残して、鬱蒼とした森で命を落とした。


 その事がきっかけとなったのか、王子は(自慢の形見であると周囲に述べていた品物)自分の剣で、のどを突いて自殺した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る