第10話 貴族令嬢達の嫌がらせ



 王子様と共に王宮へ訪れた私は、次にお姫様になるため、様々な勉強を行うことになった。


 歴史やマナー、ふるまい。


 覚える事は山ほどあった。


 けれど、それ以上に問題があったのは嫌がらせだ。


 辺境の村娘という立場が、他の人の目には卑しくうつったのだろう。


 貴族の令嬢たちがこぞって嫌がらせをしてきたのだ。


 たくさん着飾っておしゃれをしてみたのに、それでも王子様に振り向いてもらえなかった。


 だから妬ましいのだと思う。


 それは悲しみの裏返しなのだろう。

 でもだからといって、同情するのも違う。

 きっとそうしたら彼女達はもっと激高してしまうだろう。


 嫌がらせが発覚するたびに、王子様は貴族令嬢達を注意した。

 だから表立っての嫌がらせはなくなったけれど、たんだん手口が陰湿になっていった。


 証拠が残らない、悪口や陰口、根も葉もない噂が多く飛び交うようになった。


 王子様は優しい、そして良い人だ。

 だから、嫌いではない。


 けれど、嫌がらせが続くのが、つらかった。


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