第8話 求婚のお告げ



 もふちゃんを拾ってから数年が経った。


 もふちゃんは出会った頃と変わらず、もふもふしてて、可愛い。


 つぶらな瞳で見つめられると、いつまでも遊んでいたくなる。


 けれど私は、もふちゃんばかりにかまっていられない。


 だって私はこの村の代表だから。


 村を導く巫女として、神様のお告げを聞いて、村人たちに伝えなければならない。


 しかし、ある時、お告げが不思議な事を述べてきた。


 この国の王子が訪れて、私に求婚するだろう。


 と。


 私はそれを受けるべきだ。ともお告げで言われている。


 私は困惑した。


 よく知りもしない人と、結婚するだなんて考えられなかったからだ。


 しかも相手はこの国の王子様。

 王子様と結婚するとなると、この村を出ていかなければならない。


 私にとっては、この村が世界だった。


 だから、外の世界に出るのは怖い。


 私は村長さんと話し合った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る