第2話 幻獣ポメラニアン



 かわいい生き物を拾った私……ミクリは、お家で小さな器にご飯を出した後、村長の所に行って、そのモフモフの生き物を見せにいった。


 村長は町の皆に頼りにされている博識な老人だ。

 物知りなので、色々な事を知っている。


 だから当然、私が連れてきた生き物の事も知っていると思ったけど、村長は首をかしげてしまった。


「まったく見た事のない生き物だ。これはもしかすると幻獣かもしれん」

「そうなんですか?」

「この世界には異世界からたまに珍しい動物がやってくるのだ。首が長いキリンとやら、鼻が長いゾウとやら。これは……なんだろうな」

「名前が分からないと不便ですね」


 種類はよく分からないが、幻獣さんを幻獣さんと呼ぶのも可哀そうだ。


 人間を人間と呼ぶのは失礼だから、人間と同じように幻獣さんにも名前があった方が良いだろう。


「じゃあ、今日からこの子はもふちゃんですね」

「などほど、もふもふの雲みたいじゃしのう」

「もふちゃん。今日からよろしくね!」


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