第10話 血と話す
暗い。暗い空間。目の前は真っ暗で、本当に真っ暗で、何も見えない。
周りを見渡す。周りも真っ暗だった。右も、左も。前も後ろも三百六十度全て。上と下合わせて十二万九千六百度全て、真っ暗だった。本当に、何も見えない。
私が今、どこに立ってるのかすら分からない。本当に立っているのかも分からない。もしかしたら風を感じないだけで、私は今落ちているのかもしれないし、登っているのかもしれない。そんな、意味不明な空間に、私はいた。
記憶はある。あの開き直り陰陽師の、溶砲にぶち当たりにいったとこの記憶までは。
……あぁ、私死んだの? ここ、三途の川みたいなとこ? にしては、暗くない? 明り、なくなくない? なんて、馬鹿なことを考えていたら。
「夜知、まだこっちに来ちゃ駄目よ」
そんな声がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます