07.下りる女*
「おはようございます。朝から大変そうですね?」
「いいえぇ? 朝
「お休みなんですから、ゆっくりして
「日曜は、私もゆっくりしていますから」と、にっこりして赤井さんは付け足す。
「そ、そうなんですね……」
それって、今朝は
昨夜のことを
だけど……何でもない、いつもと変わらない……
「朝食はできています。いつでも
「ありがとうございます。その……片付けが終わったら食べに行きますね」
「片付けは
なんなら、わたくしどもの
「ダ、ダイジョブです……」
分かっているけど……いつかは気にせず任せてしまえるようになるのかも知れないけれど、今はまだそこまで
そう赤井さんと立ち話をしている内にマキナさんが浴室から出てきた。ナイスタイミング!
「下着はこちらです」
「あ、ああ。ありがと」
「マキナさん、こう言う時は……」
後ろで赤井さんが、何か言ってる。急いでいるボクは気にせず歩みを進める。
窓を開けていたので
かなり
シーツの
汚れものを抱えて下り、ランドリー室の
掛け布団は
ボクたちの
「キョウ様、食事になさってください。あとはやっておきます」
「すみません。お
「もちろんです」
結局、赤井さんに任せてボクは
ダイニングに入るとマキナさんの食事は終わりかけていた。
「早く食べにくれば良かったのに」
「ちょっと、部屋を片付けていましたから」
夕べは二人で汚しましたよね、と
「赤井さんがしてくれるんだから、任せればいいんだよ」
君は、しなくていいと言っただろうと、
ましてや、自分の汚したものを
朝食は、焼き
食事しながら、今日の予定を確認する。食後ゆっくりしたあと十時頃に買い物に行くと決めた。
「──買い物の帰りに君の家に
「はい、ありがとうございます」
ああ、そう言えば、また気になる事ができていた。
「マキナさん、部屋のクローゼットの
比べる服を持って出て、外で体に当てて見ていたのでは、中から外へ何度も
まあ、外にいてメイドさんに持って来させれば問題ないようなものだけど。
「それは、ベッドに服を並べておいて、それを体に当てて見比べれば外でも問題ないんじゃないか?」
そうか、その手もあるか……う~ん。
「ごちそう様。私は部屋にいる」
「はい」
考え込むボクを
何か、まだ
でもね、ベッドの
そんなところまで鏡が……と思ってたんだけど。もしかして、鏡好きなだけ?
「夕方、戻ります」
実は、お見合いに着たワンピースを買ったところでもある。
ボクの買い物は
やむを得ない場合は、母や姉に付いて来てもらっていた。お見合いに着ていくので実物を確認したかったかららしい。
実際、今まで通販で問題なかったんだから、通販にすれば良かったと思うけど、タイムラグなしに手に入れるのを
小一時間走って
車を降りて建物へ歩きだすと、つい自然にマキナさんの手をとった。迷子にならないようにと、
なにより、ごった返す場所には
手をつないだらマキナさんは、ビクっと
驚くほどでもないと思うんだ。ボクは、振り返って見てくるマキナさんに
建物に入るとエスカレーターで二階の専門店へ。まずは、訪問着を何にするか、かな?
着物の店に入ると、落ち着いた春用の着物と
ボクは立っているだけ。体に
地の色がうす緑で、水辺にアヤメが咲いている
数ある帯の中から
帯が決まると下着姿になって……いや、ならなくても良くない? と思っていると肌
「男?! 男のかたなんです、か?」
「そうだよ。
ボクはお腹が
そこから店員さんたちが、おかしくなった。壊れたロボットみたいにカクカク動きがぎこちなくなるし、
かと言って、チラチラ見てきてはいるんだよね。仕事上、体を触れられるくらいで、セクハラとか
動きがスローになり、所々におしゃべりしていたのが無くなって、
もう1セット、藍染めの着物を決める頃には、くたくたになった。お昼はまだかな?
着物は
「もう、手は洗わない」とか「
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