4月22日の朝――

第1話 前世、第三王女セルジア=ファブレットの受難


 鬼頭神無は転生者である。

 それも今世風に表現するのなら『異世界転生』というジャンルに表現した方がわかりやすいだろう。

 

 神聖王国キャメロット第三王女セルジア=ファブレット。

 それが現世でいう『鬼頭神無』の昔の肩書だった。


 だったというところから察してもらいたいが、『セルジア=ファブレット』はすでに故人だ。

 いやこれも正確に表現するなら故人『だった』というのが正しいのかもしれない。


 それもよくあるラノベ展開の悪役令嬢としてバットエンドを迎え転生したわけでもなければ、いま流行りのザマァ系で言うところの仲間の裏切りによって死んだわけでもない。


 セルジア=ファブレットは『自殺』したのだ。




 忘れもしない、神聖歴943年。

 世界に魔王が誕生したという知らせが全世界に轟いたのが全ての始まりだった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る