第一章 幼少期編

第1話 ここが異世界…

気が付くとそこは真っ暗な場所だった。


見渡しても何も見えない。

まず見渡せない。そして目が見えない。

息ができない。だが苦しくない。


(ここは…お腹の中か…? )


そう思った矢先、一気に眩しくなった。

首を支えられる。暖かかったところから空気を感じる。


「プフ、クプ...ホンギャア~ ホンギャア」


産声があがる。不可抗力なのだろうか。まぁ産声を上げた方がいいらしいし、別にいいけど。


目を開けるとそこには、金髪の若いお姉さんとムッキムキの茶髪の男がいた。ぼやけていてよく見えないが、親なのだろう。茶髪の男は口をパクパクさせると、顔にパッと笑みが浮かんだ。


「産まれた、産まれたぞ!エルサ!良くやった!」


「ロイド、声が大きすぎるわよ。赤ちゃんがビックリするわ。」


「あぁ、すまん。」


「男の子ですね。名前はロイドが決めたものにしましょう」


「そうだな、事前に決めていた名前でいいよな?」


「えぇ、もちろんよ。あなたが決めた名前に文句なんかつけないわ。」


「わかった。元気に育ってくれよ。ルシア」


(本当に転生した…名前や病院じゃないことから多分ここは本当に異世界だ。異世界に転生した…)


俺は抱えられながら異世界に転生したことに感動していたのだった。



~~~


翌日、目が覚めると、麻布のようなものの上で寝ていた。背中が痒くなりそうだ。


「ルシア、おはよう」


エルサ?だったか、多分この人が俺の母だろう。結構若い。


「ホンギャア〜ホンギャア〜」


「はいはい、ちょっと待ってね。」


そう言われ俺は乳を飲んだ。味は良く分からない。赤ちゃんだからだろうか、興奮もしない。


まだ泣くことしか出来ない俺は、飲み終わると寝て、という生活を繰り返した。



だいたい5〜6ヶ月程経っただろうか。


俺は、よちよち歩きができるようになった。

結構早い方に出来るようなって、親も喜んでいる。


(よし、これで家の中を探索できるぞ。今までは何も出来ずに退屈そのものだったからな)


俺は、よちよち歩きで寝ている寝室を出た。

リビングだ。結構狭い。家は木製で、古そうだ。リビングには木製のテーブルや椅子、釜戸などしかない。ソファーも無ければテレビなんてある訳ない。


(あ。)

エルサと目が合う。


「ちょっと、ルシア出てきちゃ危ないでしょ。」


俺はエルサに抱っこされ部屋に戻された。今日の探検はここまでだ。




離乳食が始まった。みんなと一緒にご飯を食べる。色々な話が聞けるので分かって来た事が増えた。


ほとんど家で見ないロイドはいつも畑で野菜などを育てているらしい。半分は我が家の食卓に、半分は売って生計を立てているらしい。そして、時々狩りもするらしい。


ここは小さな村で、ここに住む人ほとんど畑仕事などをしているっぽい。


俺は離乳食をエルサにあーんされながら食べた。正直クソまずい。


そんな俺をロイドとエルサは、ニコニコしながら見ていた。


次の日俺はエルサがいなくなるタイミングを計っていた。エルサは毎日庭に出る。多分何か育てているのだろう。そのタイミングで他の部屋を探検する。


そしてエルサは庭に出て行った。俺はリビングに行きいつも寝ている部屋(寝室)の隣にある部屋に入った。幸いドアが開きっぱなしだったので入ることが出来た。


入るとそこは剣や防具、ベッドがあるだけの質素っぽい部屋だった。だが剣や防具があるだけで質素には感じられなかかった。


(おぉ、剣だ、めっちゃピッカピカだ。防具もかっこいいな)


俺は防具などに見とれていると、またエルサに見つかった。

すると今日は戻されるのではなく、話をしてくれた。


「ルシア、これはね、思い出の物なのよ。昔ロイドは戦士だったの。」


エルサとロイドの出会いの話を聞かされた。


「ロイドは私が魔物に襲われている時に助けてくれて、出会ったの。でもそのときロイドは足に傷を負って戦えなくなってしまったの。私は凄く申し訳なくて、治るまで家で看病してあげたの。そして治ったらロイドがプロポーズしてきたのよ」


エルサは幸せそうに語っていた。

この調子なら弟か妹が直ぐに出来そうだな。


ロイドはリハビリも兼ねてちょくちょく狩りをしていたらしい。


ロイドは強かったのか気になったがまだ喋れないので聞けずじまいだ。


俺は部屋に戻され寝た。


~~~


そんなこんなもあって俺は1歳の誕生日を迎えた。結構冷え込んで来ているので時期的には11月辺りだろう。


「「ルシア、誕生日おめでとう。」」


ケーキもある訳でもない夕食だったがいつもより豪華だった。


「ルシア、お前は立派な戦士になれよ、お前は俺の息子だ。強くなれる。」


ロイドからそう言われた。自分で言えるほど強かったのだろうか。


「うん、パパ。」


俺は喋れるようになった。まだ滑舌が上手く回らないが、会話はできる。あんまりペラペラ喋ると、おかしいと思われるのであえて片言で喋るようにしている。


もう1人で歩けるようにもなり、部屋から出ても戻されることも無くなった。


エルサは俺がそこそこ成長したので、昼はロイドの手伝いをしている。


だから昼は俺1人だ。

ついにやりたかったことが出来るようなる。

そのために誕生日プレゼントで貰った遊び部屋に向かった。



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