今日の私、明日の私

ちゃちゃ

今日の私、明日の私

今日から私は高校2年生になる。

1年生の頃から友達はいない。

いや、いないんじゃなくて作らなかった。

もちろん遊びに誘ってくれたりする同級生もいたけど気乗りしないからとかその子達が嫌いだからってわけじゃない。

私には誰にも言えない『秘密』があったからだ。


新しい教室、新しい同級生。

新しいことがいっぱいなはずなのに

私はがんばろうとか楽しみだなとかそんな感情に全くならなかった。

どうせ明日から新しい授業が始まってお昼食べてまた授業して下校時刻になって家に帰ってご飯食べてお風呂入って寝ての繰り返し。

で、また学校行って。

そんな毎日だってわかる。


なぜなら私には明日の未来が見えてしまうから。

未来が見えるって他の人からしたら「え!すごい」「いいなぁ」って思う人もいるだろう。でも、未来が見えるって明日自分がする事やる事、出会う人…何もかも見えてしまう。毎日明日の風景が見えるのは新鮮味がないしつまらない。見えた明日の出来事を次の日に淡々とこなしてるだけ。

でも、明日のテストの内容が見えたりするからそれはラッキーだったりするんだけどね。



そういえば私の名前言ってなかった。

私は星名美織。160センチ。A型。

4人家族でお父さん、お母さん、弟がいる。


いつから見えるようになったのかは小学生からだった。

小学生の時から私は「自分はどうせこうなんだ」「自分があの時うまくさえしていれば」「自分のせいで」とか自分を悪者にする事が癖になっていた。


すると私の周りからみんなどんどん離れていってしまった。今でもなぜみんなが離れていってしまったのかわからない。もしかしたら自分の何かが原因で未来が見えてしまうようになったのかもしれない。


その他にも、もう一つ。

私だけの明日が見えるんじゃなくて他の人の明日も見ようと思えば見えてしまう。

今まであったのはたまたま見えてしまったんだが、交差点を渡ろうとしたおばあちゃん。そのおばあちゃんは次の日老衰で亡くなる未来が見えた。交差点ですれ違ったサラリーマンは次の日この交差点で車に轢かれて亡くなる未来が見えた、時間まではっきり浮かんでいた。その時間に行ってみると本当に亡くなっていた。私がそのサラリーマンに「明日ここに来てはいけない」と言ったらそのサラリーマンは今も生きていただろう。だけど、私はしなかった。冷たい人間だ。


もう、人が死ぬ未来や人が不幸になる未来は見たくないのに見えてしまう。

幸せな未来はあまり見ないそれは何故かもわからない。誰かに話すのもおかしいと思われると思うし、怖がられるかもしれない。



今日の私で暮らしたい、今日の私だったらどうするのかな未来が見えない私ってどんな私だったんだろう。忘れちゃった。


でもこんな毎日嫌だ。少しずつ未来を見えなくする方法はないのかな。

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