ふわっとした終わり
春嵐
01
恋の終わりについて、いつも考える。
彼とは、付き合ってそこそこ経っていた。
学生同士の恋愛なんて、どうしようもないものばかりだった。身体だけを求めたり、ありもしない純愛を追ってみたり、ドラマや漫画みたいな展開を延々と望んでいたり。
そんなものは、どこにもない。
目の前にあるのは、ただ近い年齢というだけで一緒の部屋に縛りつけられたひとの集まり。それだけ。
そんな場所でも、彼の存在は、輝いていた。
きっと、わたし以外にも引く手あまたなのに。彼は、いつもわたしに優しくしてくれる。そんなこと、しなくていいのに。
付き合っているからといって、特別なわけでもない。吹けば飛ぶような、わたしあの人と付き合ってるんだあという、どうでもいい宣言。それと同じ。
彼。
誰かと電話している。
恋の終わり。
なるべく波風が立たないような、そんな終わりかたがいいな。
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