第7話 トイプードルのお友達が出来た僕。
「キッちゃん!4時だよー!お散歩行くよ!」わーいわーい!!今日もお散歩デートだぁぁ!!
最近、お外が凄く熱い。だから、ママしゃんは涼しくなった時間帯に僕を外に出してくれる。
と、言ってもいつもの時間と変わらないのだけど。
とにかく、とっても優しいママしゃんなのだっ!!
「キッちゃん、今日も熱いねぇ~。」テクテク気分良く歩いていると、遠くから一匹の犬が来た。
クンクン…僕は匂いを嗅ぐ。
「あらぁー!!可愛いチワワちゃんねぇ!!」「ありがとうございます。」「何歳?」「まだ一歳になってないんです。そちらのワンちゃんは、トイプードルですか?」「そうなの!!家の子と同じねぇ!!ほらっ、お友達になったら!?」
…僕の方が見た目は大人じゃないか!お尻の匂いを嗅いでみる僕。すると…その犬は突然僕に話し掛けてきた。
「お名前聞いても宜しいですか?」「え?僕の名前?キッドだけど。」「私はクリスチャン・ダイアモンドミルキーです。」「ク、クリスチャン…何?」「ミルキーと呼んで下さい。」
何だかお上品な女の子。そして、僕よりもいい匂いがする。毛並みもクルクルしていて綺麗だ。
「キッドさん、いつも綺麗な御主人様とお散歩されてますよね。」「え!?どうして知ってるの!?」「私の部屋窓からいつも見ておりましたもの。楽しそうにピョンピョン跳ねてらして。」
は、恥ずかしい…。
テンション上げ上げの僕を見られていたなんて…。
しかし、ミルキーちゃんは綺麗な顔立ちしてるなぁ。
まぁ、家のママしゃんには叶わないけどね。
「キッドさん。お友達になって下さいませんか?」「僕と?いいけど…」「わぁ!嬉しいっ!!ありがとうございます!」
「何だか、この2匹楽しそうねぇ(笑)お互いに鼻をくっつけてクンクンしてる!!」「キッドがここまで他のワンちゃんに気を許すなんて、珍しいんです!!良かったね、キッド!!」
生まれて初めて友達が出来た。
ドッグランがトラウマでちょっと犬嫌いになってたけど、ミルキーちゃんは穏やかでおしとやかで…何より話しやすい。
「キッドさん。また明日、この時間にお会いしましょう!?」「うん!会えたら会おうね!!」「それでは、ごきげんよう。」「バイバーイ!!」
お散歩の楽しみが、また1つ増えた。
「友達」!!近くの公園で追い掛けっこしようかなぁ!?
「キッちゃん。あのワンちゃん可愛かったねぇ!!」「キャンキャン!!」「え!?あっ!!もうご飯の時間か!!お話してて時間があっという間だったね。急いでお家に帰ってご飯にしようね!!」
ママしゃんご名答!!
お腹空きすぎて背中とくっつきそうだ!
沢山お散歩して、今日もお友達の残したお手紙をクンクンして。
いい1日だった。
そして。
この日からあの男は「出張」という所にお出かけらしい。
いつ帰ってくるか分からないが、ママしゃんが殴られたりしなくて済む夜を迎えられる。
とっても嬉しい!!
僕は笑顔のママしゃんと楽しい夜を過ごし、寝る前に少しだけお散歩デートをして…。
そんな日がしばらく続いていた。
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