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とりをとこ

夢を見ている。

そこは病室だった。

夜の薄闇に照らされて、そこには1人の少女がいる事がわかった。

飾り気のないベージュのパジャマに身を包んだ少女は僕に語りかける。

「また、面白いものを見てきたんだね、私に聞かせてよ」

......正直先ほどまで、起こっていたことはちっとも面白いことではなかった。

だけれど、無邪気に僕に語りかけてきた少女に対して僕は抵抗もなく口を開いてしまうのだった。


......。


見てきたすべてを伝え終わると、少女は辛そうな表情をうかべて、また、眠りにつくのであった。

「次こそ、君に美しい終わりを見せてあげるね、次こそ、次こそ......」

次、とは何なのだろう。

僕には全く理解ができなくて、だけれど慈愛に満ちた、曇りのない少女の顔を見ると、なぜか僕は安心感だけに包まれて、少女が体を預けるベッドに向けて体が勝手に動き出し、気づいた頃には彼女のそばで頭を撫でられていた。

「大丈夫、大丈夫、次こそ、次こそ......」

安心感が麻酔のように僕を駆け巡って。

僕の意識は病室の薄闇に溶け込んでいくのだった。

そして僕は夢の中で夢を見る。


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