近接無双の回復賢者 ～無能職の村人Ａ、奈落の底から成り上がるＳランクチート冒険譚～

第6話 スキルボードとアイテムボックス

☆　デイリー討伐ミッションを達成しました

　・魔物をやっつけろ

　次の条件で魔物を倒してください。

　自分よりレベルの高い魔物　０/１→１/１

　または

　自分よりレベルの低い魔物　０/５

　報酬：スキルポイント１０（未受け取り）

☆　スタートダッシュミッション（初日）を達成しました。（残り６回）

　・先人を追いかけて

　まずは魔物をやっつけて戦闘に慣れましょう。

　自分よりレベルの高い魔物　０/１→１/１

　または

　自分よりレベルの低い魔物　０/５

　報酬：能力値ポイント５（未受け取り）

　ステータスウィンドウを呼び出して、報酬を受け取る。

　レベルが１上がると能力値は２増えるみたいで、前回のナイトウォーカーで２×２で４ポイント。

　それにスタートダッシュミッション報酬で５ポイントで、合計９ポイントとなる。

　３６ポイントを振るだけで筋力が人外になるので、この９ポイントはありがたい。

　割り振りについてはどうしようか。

　最初に適当に筋力に振ったんだけど、ここから先は慎重にやったほうが良いよな。

　とりあえず、脱出に絶対必要なロッククライミングがどれだけ楽になったのかってところを確認してみるか。

　と、そんな感じで俺は壁に向けて歩いて、軽く５メートルほど上に昇ってみたんだけど――

　――嘘だろ？

　体が軽い……何てものじゃない。

　自分の体重を腕だけで支えているという事実が、信じられないくらいだった。

　試しに、壁の凹に指を引っ掛けて、指先の力だけで上がってみる。

　簡単に上がった……ので、どこまでのことができるのか限界を確認してみようか。

　片手の指２本だけで上に上がることはできたし、両手の指の力だと、軽くジャンプまでできた。

　うん、指先の力で、ジャンプできたんだ。

　いやはや、軽く引くレベルだなこれは。

　実験的に結構な距離を何度も何度も上り下りしたが、体に疲れも一切ないし。

「この分なら、昇るだけなら現実的に可能なラインかもしれないな」

　と、そこで俺は試しに５メートルほどのところから、受け身を取って落ちてみる。

「いたた……」

　うん、これは普通に痛かった。

　ＨＰは増えてるわけじゃないし、耐久性が伸びているわけでもないのでこれは当たり前か。

　しかし、スタートダッシュミッションってのは能力値を５も貰えて、残り６回もあるんだよな。

　ってことはつまり、５×６で３０ポイントももらえるってことなんだろうか？

　レベルアップもあと１０可能なので、諸々を合わせて３０＋２０で……

　……５０か

　つまり、単純計算で人間をもう一段階辞めることができるってことだよな。

　それにレベルが１５から３０になるのもデカい。

　こりゃあ、ひょっとして外に出るころには俺の力は大変なことになるんじゃなかろうかな。

　そう考えると頬が緩んでしまうが、ここで油断をしては良くない。

　何しろ、ここは悪夢のような難易度の迷宮で、俺まだまだここでは最底辺の存在に過ぎないからだ。

　で、デイリー討伐ミッションのスキルポイントってのは一体何なんだろうか？

　能力値みたいに割り振る感じでも無いようだし……と、考えているとステータスウィンドウの項目に（ＮＥＷ！）との表示がついた。

☆　初心者イベントミッション

　　スキルボードを取得しましょう。

　　スキルポイントを１００集めることで、スキルボードが解放されます。

　　達成度：１０/１００

　　報酬：スキルボード解放

　スキルボード……？

　何から何までサッパリ分からないので、これは一旦保留だ。

　と、そこで俺はステータスウインドウをマジマジと眺めた。　

１　ステータス確認

２　アイテム使用

３　イベント

４　持ち物確認

５　報酬

６　メッセージ

　さて、今の段階で確認してないのは……２のアイテム使用と４の持ち物確認だな。　

　アイテム使用の項目を呼び出したところで、ステータスウィンドウにミッション発生との文字が現れた。

☆　初心者イベントミッション

　　アイテムボックスを呼び出しましょう

　報酬：能力値ポイント１

　アイテムボックス？

　良く分からんが、俺は「アイテムボックス」と口に出して言ってみた。

　すると、突然に俺の眼前の空間に半透明の宝箱のようなものが現れた。

　大きさは１メートル×１メートル×１メートルくらいの立方体で無駄にデカい。

　アイテムボックスの上部には容量：０/１００との記載があるし……何なんだコレ？

　と、そこで更に追加でステータスウィンドウにミッション発生との文字が現れた。

☆　イベントミッション

　　アイテムボックスにモノを入れてみましょう

　報酬：能力値ポイント１

　ふーむ……？

　とりあえず俺はそのあたりに落ちている岩を担いで、アイテムボックスに入れてみた。

　デカさ的にはアイテムボックスに何とか入るくらいの大きな岩だ。

　すると、大岩はアイテムボックスに収納された瞬間、光り輝いて……どこかへ消えてしまった。　

　容量：０/１００→３５/１００

「消えた……だと？」

　驚きのあまりにポカンとしてたんだが、持ち物確認とアイテム使用の項目に（ＮＥＷ）の文字が新しく現れた。

　で、それを確認してみると――

・大岩

　重量３５２キログラム

　取り出しますか？　→ＹＥＳ　ＮＯ

　こんな感じの文字が出てきた。

　で、俺はちょっと気になったので、さっきの岩よりもちょっと小さい岩をアイテムボックスに入れてみた。

　すると、容量が３５から５１に変わり、持ち物にこんな感じの記載が増えていた。

・大岩

　重量１６２キログラム

　取り出しますか？　→ＹＥＳ　ＮＯ

　なるほど。

　どうやら容量は体積じゃなくて、重さによって変化するようだな。

　だとすると、アイテムボックスの収容可能量はおおよそ１トンってことだな。

「アイテムボックスはもう必要ない」

　試しにそう言ってみると、予想どおりにアイテムボックスはどこかに消え去ってしまった。

「アイテムボックスを使用する」

　そう言うと、やはりアイテムボックスが出てきたので、まあ……そういう風に使えと言うことだろう。

　その時、俺は「あっ！」と息を呑んだ。

　と、言うのもこのアイテムボックスさえあれば、竪穴を昇って脱出する際に……滅茶苦茶役立つことに気づいたからだ。