第4話mood

大粒の水滴がつたう窓辺で

1人頬杖をついてまどろんでいる

轟音と共にひび割れる空

その破片を恐れてどこか違う空へと飛んで行った鳥達

母なる大地が容赦のない雨に鞭打たれる姿を見て いたたまれなくなった動物達はみんな自分の部屋に引きこもり耳を塞いでいる


世界の終わりから1人取り残され

湧いてくる雑念が

マグカップの底で溶け残ったココアの塊みたいに こびりついて

頭から離れない

こんな日に一人自問自答なんて


ああ

もうやめにしないかスフィンクス

知恵比べするには お互い疲れ切っているじゃないか


全てから目を背けたくて

テーブルに置いた両腕に頭を沈ませると

重くなった瞼が古いシャッターのようにゆっくりと閉まって

今日が終わる


チュン チュンと

旧友が帰ってくるなり 知らせてくれた朝の知らせ

眠い目をこすり窓の外を見ると

朝の陽に照らされながら一枚の羽がひらひらと宙を舞い 窓辺の外に着地する


テーブルの上には

マグカップの中に誰かがそっと注いでくれていたココアが湯気をあげている

息を吹きかけて口に含んだあと もう一度窓の外を覗けば

ほら すべてが元通り

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