第83話 サスケ
イ特課長室
10畳程の部屋に窓がひとつ、デスクがひとつ本棚がひとつあとは書類を入れる棚が並んでいる簡素な部屋だ。
エアバニー「インプル、スパイ部隊『H』に繋げ」
インプル「分かりました。81区警備局イシュタラ対策部特殊捜索1課特殊工作部隊『H』隊長、城戸(きど)サスケにお繋ぎします。」
エアバニー:。。。。
インドとのコラボで話題となった某青い覆面の忍(しのび)が活躍するアニメの主題歌を彷彿とさせるメロディがしばらく流れた。。
エアバニーはかける相手によってインプルの待受音楽を変えるほどマメな男であったのだ。
曲は「どんぐりまなこにへの字口」を思わせる辺りまで進んだところで途切れる。
サスケ:「こちらサスケです!」
エアバニー:「もしもし、サスケか?」
サスケ:「あ、隊長!えっと。。。拙者、サスケでござる。」
エアバニー:「。。。。。。」
エアバニー:「いや、わざわざ『ござる』をつけなくていい。」
エアバニー:「俺がやらせてるみたいじゃないか。」
サスケ:「いやぁ。。一応、隊長好きかなと思って。(笑)」
エアバニー:「お前、絶対俺をなめてるだろ?」
サスケ:「いえ、滅相も御座らぬでござる。」
エアバニー:「分かった分かった。もういい。て言うかござるの使い方おかしいぞ!」
しかし、実は案外嫌いではないエアバニーだった。
エアバニー:「冗談はさて置きちょっと厄介な事を頼みたいんだが。。」
サスケ:「厄介な事?ですか。。」
サスケ:「分かりました。そちらに伺った方が良さそうですね?」
エアバニー:「あぁ。ちょっと来てくれ。」
サスケ:「了解しました。少々お待ちを。」
インプルの通信が切れる。
エアバニーの背後には大きな窓があり、入り口から向かってデスクを見ると逆光になる。
昼下がりと言ってもカプセル内の明かりは曇りぐらいの光量しかない。
そのボンヤリとした光が生み出すエアバニーとデスクの影が部屋の中心に向かって伸びていた。
そしてしばらくするとその影の先端にひときわ暗い部分が現れて、その中から通称スパイ部隊『H』隊長、城戸(きど)サスケが片膝を付いたまま浮き出る様に下から現れた。
その姿は特殊攻撃部隊『D』とは色違いの黒い戦闘服に青い小袖、青い襟、刀を帯刀といったスタイルだ。
忍者の様な額当てもこの隊の特徴になっている。
サスケ「隊長上(たいちょううえ)、お呼びでござるか?」
エアバニー:隊長上(たいちょううえ)ってなんだ?
エアバニー「。。。ご苦労。要件はどこで聞いているかわからないので直接会話で話す。」
サスケは少し驚いた表情を見せる。
サスケ「。。。はっ!」
エアバニー→サスケ:「サスケ、今から話すことは最重要機密事項だ。絶対に他言無用だ。」
サスケ→エアバニー:「はい!」
サスケの表情に緊張が現れる。
エアバニー→サスケ:「イ特に83区の工作員が紛れ込んでいる可能性が高い。」
それを聞いてサスケは思わずエアバニーの目を見て冗談ではない事を確認する。
サスケ→エアバニー:「本当なんですね。。?」
エアバニー→サスケ:「ああ、それはこの間のサークルアンデッド緊張執行の時に出動した者の中にいると見て間違いない。」
シーンと静まり返る。
エアバニー→サスケ:「これはまだ『H』内部にも漏らすな。お前一人で極秘理に動け。」
サスケ→エアバニー:「は、はい。。。了解しました。」
エアバニー「と言う訳だ。」
するとサスケは何事もなかったかの様に
サスケ「もう、隊長上(たいちょううえ)。。そんな恥ずかしいお使いを頼まないでくだされよぉ。。。」
エアバニー「皆にはナイショだぞ!」
サスケ「やれやれ仕方がない隊長上(たいちょううえ)でござるなぁ。。分かったでござる!」
エアバニー:こいつプロだな。。。
さめざめとサスケを見るエアバニー
しかしここで不意に別の直接会話がエアバニーに入る。
バアル→エアバニー:「エアバニー、バアルだ。」
バアル→エアバニー:「エアバニー、聞こえるか?」
少し間をおいて
エアバニー→バアル「聞こえている!ち、ちょっと待ってくれ!」
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