神様から転生特典でもらった飛空挺を魔改造した結果、飛空挺はロボに、俺は世界を救う使命を帯びた件

青山喜太

第1話 転生!!

 トン、誰かに押された。「多分誰かの悪ふざけなんだろうな」俺は階段を転げ落ちながらそう思った。こんな事する奴なんて1人しかいない「いじめっ子」の田崎だ。おおかた俺がうざかったからふざけ半分で押したんだろう。

 その結果今俺は走馬灯を見ている。ああついてないなこんな盛大にすっ転ぶなんて、せめて最後に母さんと父さんの顔を見てから死にたかった。


 俺は円城勇気、どこにでもいる高校一年生では……なかったかもしれない。昔から良く言われた。こう友達の田村に。


「お前!暑苦しすぎるんだよ!」


 しょうがないじゃないかだって、俺の性格はなんというか少し前向きで、ちょっとした情熱があるだけなんだ。

 クラスの応援団で一番声を出すタイプなんだからな俺は。

 しかしその、暑苦しい性格のせいで俺は少しだけクラスから浮いていたのは事実だ。

 中学の時クラスの委員だった時、文化祭というには少し大げさかもしれないがそれぞれのクラスで企画を立ち上げて、生徒だけが利用するミニ文化祭を開こうということになった。俺のクラスは消極的だったから俺は友達みんなにこう言ってやった。


「みんな張り切っていこうぜ!!!!」


 クラスは静まり返ったが、それだけみんなが、沈黙するほど真剣になってくれたのだと俺は思ったが、結果は散々だった。結局みんなのやる気と俺のやる気が付いて行かずチームワークが取れなかったのが原因だ。

 はっきり言ってこれは俺のせいだクラスの委員になってしまったから少し張り切りすぎてしまったのだ。

 とにかくそんな性格だった俺は高校に入った時も相変わらずこんな感じだった。みんなにウザがられたりする時もあったが、基本的にみんないい奴で打ち解けていった。俺の高校生活は幸せだった。

 かに思えた。俺はある日いじめを目撃した、当然止める、いじめをした側をだ。その時からいじめッ子に目をつけられたらしい。俺はケンカはしちゃいけないと母さんから言われていたので、甘んじていじめっ子の報復を受けた。そして先生に報告。これで全てうまくいくと思ってしまった。

 チクリやなどと言われた俺は因縁をつけられそして、階段から突き落とされたというわけである。


(はぁ…)


 ところでいつになったら、この走馬灯は終わるのか、俺は、死ぬのか?生きるのか?それとも…なんだ、この走馬灯を一生見続けるのか?!


「いえ、そんなことはありませんけど」


「おわぁ!誰だ!いや、誰ですか!」


 いつのまにか、俺は白い空間の中にいた。


「私でふか?神様ですけど」


 神様と名乗る小さいピンク髪の、女の子はお菓子をほうばりながらそういった。服装は真っ白のベール?というのだろうか。そういうものを着ていた。

 しかし、神様か…そうか神様なら俺は…


「あ、大丈夫でふよ、転生しますから。」


 柔らかく、美しい鳥のような声で神様はそういう。


「そんな、て、照れますけど…ゴホン!あなたにはリナトリオンという異世界に転生してもらいますけど!よろしいですか!」


「ええ!なんでですか?」


 転生とは?リナトリオン?????


「説明はまあ現地でガイドにしてもらいますけど。そうだ転生の特典をつけるんでしたねこういう時って。何か欲しい力とか物ありますか?」


 俺は状況が飲み込めないこの冗談みたいな現状にただ笑うしかなかった俺だったが。


「欲しいもの?なら俺は…」


「いや、待ってください、やっぱり言わなくていいですけど。言わなくても当てれます。あなたの気持ち読み取れるので。」


「え、でも俺!」


「大丈夫。今の私にできる最大で最高の加護を…あなたにあげれますけど。はい、できた!」


 そう神様が言った時、神様の掌に光の玉が現れた。


「珍しい!あなた珍しい物をねだりましたね。乗り物とは!」


 え、それじゃあ俺の願いは本当にかなったのか。本当に思考が読めるみたいでびっくりしてしまった。


「では、これであなたの特典は決まりましたけど。」


「はぁ、ありがとうございます。」


 ついていけねぇ…そう思っていると神様はおもむろに口を開き話し始めた。


「もう一度説明します。円城勇気あなたには転生してもらいますけど。肉体は向こうで今の貴方の肉体と同じものを作ります。なので安心して欲しいですけど。」


 また神様は菓子を頬張った。状況が飲み込めないまま話は過ぎていく。


「安心してください。貴方は選ばれたのです。みんなに。」


 そういうと神様は微笑む、すると突然俺は浮遊感を感じた。

 落ちているのだ白い世界に空いた穴から。


「うぁぁぁぉぁ!」


 白い世界から抜けると、下には大地があった。見たこともない自然が豊かな大地!死ぬ!そう思い、俺は目を閉じた。すると思ったよりも早く地面に激突する。


「ぐわぁぁぁぁぁ!…あ?」


 いつのまにか俺は船の甲板の上にいた。しかも空を飛ぶ船の上に、まさかこれが神様の言っていた…


「俺の欲していた。自分でカスタマイズできる空飛ぶロボット…」


 いやロボットじゃねぇじゃんか

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