第2話ひきこもりの最期

時は移り令和元年。俺の名前は成神世界。日本に住む引きこもりだ。中学生のころから引きこもり年齢は十八歳になった。


元々人と話すことが苦手で小さい頃から友達はいなかった。小学生の頃は一人でも平気だったが思春期になるとずっと一人でいることを悩み始めた。周りから冷たい視線を受けているように感じた。そして学校が嫌になって不登校となった。


今は毎日朝までゲームをして過ごしている。俺の生活は昼夜逆転している。なるべく人と会いたくないため俺が外に出るのは夜中になってからだ。


「いらっしゃっせー」


小腹が空いたため俺はコンビニに来た。


「お、新作のパンだ」


俺は新作のものに魅かれやすいようだ。パンとコーヒーを持ってレジの店員に渡した。


「二百十円になります」


俺はポケットから小銭を出した


「ちょうどですね、領収書いりますか」


小さく首を振った


「ありがとございやしたー、またおこしくださいませ」


商品の入った袋を受け取りコンビニから出た。


「チャラそうな店員だったな。最近入った人か?・・・苦手なタイプだ」


コンビニの店員の愚痴をこぼしながら家へと向かった。大通りの歩道を歩いているとものすごいスピードでトラックが前から走ってきた。


「さすがにスピード出しすぎあぶねーぞ」


ただ何となく口に出した言葉がまさか現実になるとは思わなかった。


「事故だ。人が轢かれたぞ」


偶然後ろを歩いていた男の人が走って駆け寄ってきた。


「おい、大丈夫か?今救急車に連絡したからな」


「救急車?なんかあったのか?」


俺は心の中でそう思った。何が起こってるか分からなかった。


「運転手何してんだ」


「ひっくっ」


「酒臭ぇ。こいつ酒飲んでやがる」


「飲酒運転か、どうりでスピード出てたわけか」


俺は前から走ってきていたトラックの異常に納得した。俺は起き上がろうと思い目線を動かした。


「ち、血が・・・どうして?動けない」


俺は通行人が言ってた救急車、飲酒運転、心配の言葉を思い返した。


「トラックに轢かれたのは俺か」


痛みも感じない。体は動かない。なぜかとても暖かく感じる。


「い、意識が・・・もう・・・・・・何もない人生だった」


死を意識した俺はゆっくりと目を閉じた。

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