12年目に震災を想う
2023年、3月11日。
東日本大震災から、今年で12年になる。
2011年に生まれた子どもたちが、小学校を卒業する年だ。
もう12年とも、まだ12年とも思えるが、確実に時は流れている。
縁があって、この一年は三陸で過ごした。
壊滅的な被害を受けた地域でも、もう当たり前の日常が戻って(コロナの影響は除く)、震災の直後のあの光景は、保存されている一部の建物や区画を除けば、もうほとんど残っていない。
あれから、確実に東北は前に進んだ。
津波到達を示す標識があったり、非常時の避難経路が示されていたりと、何かと防災意識の高さを感じる場面は多いけれど、普段の生活の中で意識させられる場面はほとんどない。
あれから12年。
私は何ができたのだろう。
震災当時、その場所にいなかった私が、震災のことを語っても良いのだろうか。
そもそも、私に、震災について何が伝えられるというのだろうか。
未だに自分の中で、納得できる答えは見つかっていない。
12年前、まだ私は小学生だったけれど、それでもテレビ越しに見たあの光景は、今でもはっきりと覚えている。震災から半年後、まだガレキが転がったままだった仙台空港周辺の景色を、道が波打っていたり外壁にヒビが入ったままになっていた仙台の街並みを、今でもはっきりと覚えている。
時が経つにつれて、間違いなく震災関連の報道は減り、震災のことを覚えている人も減っている。でも、福島には未だに入れないままの場所がある。一段落したのかもしれないけれど、でもまだ終わっていないと思う。
あれから12年。
私は、何ができただろう。そして、私に何ができるのだろう。
12年目の、3.11。
自分に何ができる訳でもないけれど。
記憶は薄れていくものなのかもしれないけれど。
今、せめて自分にできる小さな事として、今年もこの言葉を言おう。
私は、3.11を忘れない。
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